- 場所:WEB会議
- 日時:令和6年8月2日(金);午後7時~8時30分
<症 例>
70歳代 女性
<傷病名>
子宮体癌、多発肺転移、両側肺門リンパ節転移
<挨 拶>
開会挨拶
八幡浜医師会会長
芝田 宗生 医師
<発表者>
座 長;矢野脳神経外科医院 矢野 正仁 医師
① 家族状況などの説明
八幡浜医師会居宅介護支援事業所
清水 建哉 コーディネーター
② 症例報告
三瀬医院
院長 片山 均 医師
③ 訪問看護ステーションからの報告
セントケア訪問看護ステーション
所長 松平 直美 看護師
<症 例>
報告内容;PDFファイルをダウンロードしてご参照ください
第117回八幡浜在宅緩和ケア症例検討会資料
<議論の要点とコメント>
●独居で在宅療養を友人の支援を受けられながら経過した緩和ケア症例について。
●独居の高齢者が今後増えていく中で、癌だけでなく認知症や心不全の事例をこの会で経験してきたことを活かしながら、地域全体で支えていく仕組み作りが重要。
<職種別参加者数>
医師 | 8名 | 社会福祉士 | 1名 |
---|---|---|---|
歯科医師 | 1名 | ケアマネ | 5名 |
保健師 | 2名 | 介護 | 3名 |
薬剤師 | 1名 | その他 | 0名 |
看護師 | 18名 | 事務 | 2名 |
心理士 | 1名 |
- 医師
医師ばかりではないと思いますので、発言したことを文字にしてみます。
「偏食」があったようなので、そこから生物学的にはVitB1欠乏症の可能性は上がると思います。VitB1欠乏症はtreatableな脳症で、精神症状も伴います。「あれ?ちょっと変な意識?」という所見も範疇に入ると思います。精神症状も改善しますから良い時間が作りやすくなったかもしれませんが、単なる想像に過ぎません。とても親身で丁寧な関わりであったと思いました。
後半のディスカッションにあった、友人関係やいとこの出現、公正証書の話、葬儀・財産などの死後処理の方法など、多職種ならではの幅広いディスカッションでとても有意義で勉強になりました。 - ケアマネ
今回の事例は、お一人暮らしでの看取りの方の支援ということで、支援する中で、支援者の皆様は不安や心配事を抱えながら支援をされていたのではないかと思います。ご本人が自宅で最期を迎えたいと思われた理由、その覚悟はどこにあったのでしょうか。私たちが『こうあった方がいい』『こうあるべき』と感じる価値観と、ご本人(ご家族がいたらご家族も含む)が今まで生きてきた中で培われた価値観とに大きな相違がある場合、その相違の差をどう埋めていくかが大切でもあり、難しさもあると感じています。ご本人が家で最期を迎えたいと覚悟をされている中、その思いにどう寄り添っていくか、支援者の倫理観を考えたら「これでいいのか」と思う気持ちが芽生えてくるとも考えられます。だからこそ、その時々で意思は変わる可能性もありますが、話ができる時に、その覚悟を聞き取っておかないといけないと改めて感じました。
症例検討会に参加させていただく中で、いつもたくさんの情報を聞かせていただいており、大変勉強になります。今回の検討会では、身寄りがない方が亡くなられた時の情報提供がありました。しかし、私たちにはそれぞれできること、できないことがあります。困りごとを含めて、どこにつないでいくかを知ること、そして実際、つないでいくことが私たちの責任なのではないかと感じました。そのために、チームの中に、必要があれば地域包括支援センターを含む行政が入っていることも十分考えられることではないかと思いました。
皆さまより、たくさんの症例を聞かせて頂くことで私たちの知識となり、それを私たちが実際、経験していくことで知恵となり、それを支援させていただく方々に対してこれからも活かしていきたいと思います。 - 医師
在宅医療で看取りとして引き継いだあとは、予期せぬ身体的変化があっても、そういうこともあるよね、と流しがちになっていました。多くのケースで、仮によい解決法がないとしても、一度きちんと評価してみる必要があると改めて思いました。 - 看護師
MCS導入によって情報共有がスムーズになって良かったと思います。
独居の方が在宅看取りの場合、地域の方々の協力がとても大切であることを学ばせて頂きました。
<アンケートから>
以下に参加者からのメッセージをまとめました。