第121回 八幡浜在宅緩和ケア症例検討会

  1. 場所:WEB会議
  2. 令和6年12月6日(金);午後7時~8時30分

  <症例>70歳代後半 女性

  <傷病名>
   進行性肺癌(EGFR遺伝子変異陽性右下葉肺腺癌 脳転移)・認知機能低下

  <挨 拶>
   開会挨拶;八幡浜医師会会長  芝田 宗生 医師
  <発表者>
   座 長;三瀬医院 片山 均 医師
    ① 家族状況などの説明
          八幡浜医師会居宅介護支援事業所
               清水 建哉 コーディネーター
    ② 症例報告
          矢野脳神経外科医院 矢野 正仁 医師
    ③ 訪問看護ステーションからの報告
          よつば訪問看護ステーション
                   馬場 美奈子 看護師

<症 例>
報告内容;PDFファイルをダウンロードしてご参照ください
第121回八幡浜在宅緩和ケア症例検討会資料

<議論の要点とコメント>

●患者意思を尊重し、多職種連携を通じて支援を実践。家族間で意見の相違もあったが、患者希望に沿った自宅での看取りを実現。
●会議では、地域全体で支える在宅ケアの価値を再確認し、意思決定支援や家族への精神的サポートの重要性を共有。
●今後の市民公開講座やエンディングノート活用など次の取り組みも確認された。

<職種別参加者数>

合計  53名
医師 7名 社会福祉士 5名
歯科医師 1名 ケアマネ 5名
保健師 4名 介護 4名
薬剤師 3名 その他 4名
看護師 17名 事務 3名
心理士 0名

    <アンケートから>
    以下に参加者からのメッセージをまとめました。

  1. 介護士
     ヘルパースタッフとして最後お会いすることはできませんでした。日々訪問する中で、弱っていかれる事に心が苦しいこともありました。ご主人様が自分では何もできないとあちこち動かれましたが、私たちヘルパーも日々情報共有する中で、「痛い、痛い」と言われる本人様を目の前に、申し訳なさと痛い思いさせてしまって、どうすれば痛みが少しでも和らぎ、介護できるのかと相談していました。ご主人様も日々、夜眠れないと言われており、一番側に居られるご主人が倒れてしまわないかと心配することもありました。お嫁様は毎日、懸命に介護されておられ、私たちが入っていいものかと思うこともありました。退院直後は、立ち上がられポータブルトイレに行かれることもあり、お話もでき「ありがとう、また来てね」と言って下さいました。ヘルパーができることはちょっとしたことで、ほぼお嫁様、ご主人様が頑張って自分達のやり方で介護されておられました。11月1日以降のことがあまり分からず、亡くなられたことのみ知っていたため、この度症例検討会に参加させていただき、医療チームの連携があってこそ在宅で和やかに過ごされたのだと思いました。
  2. 保健師
     本人の意思決定を尊重しながら、家族との合意形成をしていく、揺れる気持ちに寄り添いながら意思決定を支えていくことの大切さについて、考えさせられる事例でした。
  3. 看護師
     主治医の先生が不在の時に、代わりに看取りをしてもらえる先生がいることで、家族、職員共にすごく安心して支援できると思います。また、入院もできること等は、自宅で介護される人たちにとって心強いと思います。
     今回の事例では、サポートする側がそれぞれ寄り添った支援をしていて素晴らしいチームプレーだったと思います。今後の支援の勉強になりました。
  4. 福祉用具専門相談員
     医師、看護師さん達のケアのレベルの高さに感動しました。ご利用様だけでなくご家族への配慮も忘れずされているところは自分達の福祉用具担当者に対しても必要なことだと思いました。福祉用具を引き上げの際、ご主人からは最後まで家で看られたし、やることは全てできたから良かったと話をされていました。今回の症例検討会は初めて参加でしたがすごく勉強になる事が多く、今後の仕事に役立てられたらと感じました。
  5. 福祉用具専門相談員
     ケアチームに参加させていただいて、ご家族様のサポートがあったからこそ、ご本人様が生前望んでおられた在宅でご逝去することができたのではないかと感じました。緩和ケアチームの団結力に感激しました。地域性の良さと患者様に対しての敬意がものすごく印象に残りました。今回、アプリのMCSを通してご本人様の状態把握や治療状況をリアルタイムで知ることができとても助かりました。状況把握ができなかったらサポートしたくてもできない時があるのでMCSを活用すればみなさん悔いのないサポートができると思います。今後に今回の経験を活かせるようしっかり参考にさせていただきます。
  6. 医師
     チームケアが素晴らしい事例でした。特に訪看のケアが素晴らしいと思いました。
  7. 福祉用具専門相談員
     ご家族様、本人様の本音を引き出し、その要望にいかに答えるか、それをするためにどうするか、チームで連携をとりながら対応したことがよくわかりました。本人様もご家族様もチームの対応に満足されたのではないかと思います。私も今回勉強させていただいたことを今後に活かせていきたいと思います。
  8. ケアマネ
     徐々に弱っていく妻の姿を目の当たりにして、御主人はとても苦しかったと思います。現実から目を背けたくなるところに、上手にお嫁さんが橋渡しをして、ふたりをつなぐ役目を果たしたと思います。お嫁さんはきっと、残される義父が後悔をしないよう、配慮されたのでしょう。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

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県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006