令和8年5月10日、門司市民会館で開催された県立門司中学校・門司東高校・門司高校硯友会総会に参加した。私は現在愛媛県八幡浜市に住んでいるが、故郷である門司港への思いは年齢を重ねるほど深くなっている。今年75歳を迎え、「できる限り毎年同窓会には出席しよう」と改めて心に決めていたこともあり、日帰りではあったが帰省を実行した。
今回の帰省には、特別な思いがあった。2023年8月、福岡県立門司高等学校第43期生3年2組、理系男子クラスで共に学んだN君の初盆参りのために門司港を訪れたことがきっかけである。同級生の死は、私たちが確実に人生の晩年に入っていることを静かに実感させた。しかし同時に、青春時代を共に過ごした仲間との縁の尊さも再認識する機会となった。
当日は朝6時に自宅を出発し、6時20分発の別府行きフェリーに乗船した。海を眺めながら、若かった頃の思い出が次々と胸によみがえってきた。別府からはJRを利用して門司港へ向かう予定だったが、申し訳ないことに2年前に八幡浜に来てもらい、認知症カフェの活動について講演をしていただいたY君(第二十四回 八幡浜在宅医療研究会講演会を開催しました | 旭町内科クリニック|愛媛県八幡浜市)が車で迎えに来て門司港まで連れて行ってくださった(本当にありがたい気持ちと、門司までの道中、車内で会話が弾んだ)。久しぶりに見る関門海峡や海峡を挟んで見える下関の彦島や巌流島、門司港駅周辺の風景には、懐かしさと同時に心の安らぎを感じた。
総会会場には、多くの同窓生が集まっていた。久しぶりに再会する友人たちの顔には、それぞれ歳月の跡が刻まれていたが、話し始めると不思議なほど一瞬で学生時代に戻ることができた。「あの頃は若かったな」「先生によく叱られたな」と笑い合いながら、旧交を温めた。人生の歩みはそれぞれ異なっていても、同じ校舎で青春を過ごした仲間との絆は消えることがないのだと感じた。
また、今回も老人施設に入所中の中学時代からの親友を見舞った。彼はくも膜下出血で倒れて以来、療養生活を続けている。以前のように自由に会話はできなくなったが、私の顔を見ると穏やかな表情を浮かべてくれた。その姿に胸が熱くなった。健康で日々の生活を送れることは決して当たり前ではなく、一日一日を大切に生きなければならないと改めて感じた。
帰路もJRとフェリーを乗り継ぎ、八幡浜の自宅に着いたのは深夜0時前であった。翌日の診療は少々睡眠不足であったが、何とか無事にこなすことができた。体力的には決して楽な旅ではなかったが、それ以上に心が満たされた一日だった。75歳という年齢を迎え、人生の残された時間を意識することが多くなった。しかし、故郷を訪ね、友人たちと再会し、親友を見舞うことは、私に生きる力と励ましを与えてくれる大切な時間である。これからも健康に気をつけながら、毎年この同窓会に参加し続けたいと思っている。


