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「ベスト・インタレスト論」をACPのプロセスで援用する

イギリス2005年意思決定能力法が追求する「ベスト・インタレスト」とは

イギリス2005年意思決定能力法が追求する「ベスト・インタレスト」とは、同法が達成しようとしている目標、指針を端的に表す理念です。

同時に本人に代わって意思決定を行うすべての「他者」に対して、独断的価値判断の押し付けや、専横的道徳主義を避け、自らの行為を慎重に見直すことを求める「法」です。

本人自身による自己決定を最大限に支援し、あるいは、本人の主観的要素に十分に配慮しながら、「ベスト・インタレスト」に適った決定を行うという一連の作用は、後見を、単なる代行決定ではなく、本人と意思決定権限者が共同して決定に臨む「支援された意思決定(assisted decision-making)」や「シェアされた意思決定(shared decision-making)」へと転換させていく可能性を秘めています。

ベスト・インタレストを考えるためのチェックリストは、医療の現場でアドバンス・ケア・プランニングを実践するうえで、役立つツールとして援用したいものです。