第114回 八幡浜在宅緩和ケア症例検討会

  1. 場所:WEB会議
  2. 日時:令和6年4月5日(金);午後7時~8時30分

<症 例>
   80歳代後半 男性
<傷病名>
   #1.トランスサイレチン型心アミロイドーシス
   #2.慢性心房細動
   #3.洞不全症候群
   #4.恒久的・ペースメーカー植込術後
   #5.連合弁膜症、
   #6.慢性腎臓病(Stage5)
   #7.廃用症候群

<挨 拶>
  開会挨拶
   八幡浜医師会会長
    芝田 宗生 医師
<発表者>
  座 長
   矢野脳神経外科医院
    矢野 正仁 医師
  ① 在宅におけるASVの活用について
   帝人ヘルスケア株式会社
    松山営業所 南予駐在所
       担当課長 高山 厚太朗 氏
       看 護 師 矢野 好美 氏
  ② 家族状況などの説明
   八幡浜医師会居宅介護支援事業所
    清水 建哉 コーディネーター
  ③ 症例報告
   旭町内科クリニック
    院長 森岡 明 医師
  ④ 訪問看護ステーションからの報告
   八幡浜医師会訪問看護ステーション
    所長 坂本 美恵子 看護師

<症 例>
報告内容;PDFファイルをダウンロードしてご参照ください
第114回八幡浜在宅緩和ケア症例検討会資料

<議論の要点とコメント>

●末期心不全における緩和ケアとしてのASVの適応と実践について。
●終末期がんと違った心不全緩和ケアの今後の展望について。

<職種別参加者数>

合計  70名
医師 13名 社会福祉士 3名
歯科医師 2名 ケアマネ 10名
保健師 5名 介護 4名
薬剤師 4名 その他 4名
看護師 22名 事務 3名

    <アンケートから>
    以下に参加者からのメッセージをまとめました。

  1. ケアマネ
     今回初めて、ASVを装着された方の様子や使用方法等を学べるいい機会でした。訪問看護師さんは、本当に毎日忙しいと思いますが、グリーフケア後も、奥様の様子を気にかけて見に行っておられる行動には本当に頭が下がりました。素晴らしいと思います。
  2. 医師
     呼吸不全に関しての緩和ケアにおけるASVの位置づけや対応について非常に理解ができました。
  3. ケアマネ
     ASVマスクの種類が色々あることが分かり勉強になりました。
  4. 看護師
     大洲地区で活動をしていますが、他の地区の症例検討会に初めて参加させて頂きました。業者さんからの説明や在宅医、訪問看護とそれぞれの目線での振り返りがなされて、とても新鮮でした。
  5. 社会福祉士
     症例発表では主治医、訪問看護から別々に報告があることで、内容のすり合わせ、振り返りができており驚きました。業者さんも参加されており不明な点があればすぐ確認ができる対応が素晴らしかったです。
  6. 看護師
     訪問看護でASVを取り扱ったことがなく勉強になりました。先生方の説明もすごく分かり易かったです。私たちももっと学び、色々な利用者様の支援に関わって行きたいです。
     実際に看護・介護に関わっていない家族が認めてくれないことは多いと思います。今回の看護師さんの言葉かけも勉強させて頂きました。関わってきた看護師さんが「認めているよ」「頑張っている姿見ていたよ」と伝えてあげることで何かが変わるのだと思いました。

  7. ケアマネ
      今回、ASVを活用した事例で、今まで経験したことがなかったため、新たな知識・情報として勉強させていただきました。これからもたくさんの症例を聞かせて頂き、新たな気づきにつなげていけたらと思います。
     自宅で介護をしている最中、また、介護(看取り)を終えた時の感情は人それぞれで、受け止めることができる方、できない方がいらっしゃいます。特に看取りを終えた後、当然つらい思いをされます。なかなか受け入れができない場合に、私たち支援者はどのように向き合っていくか。支援中なら関わる機会もあり、その時の感情に向き合いやすい立場にあります。しかし、支援が終了した場合、度々関わることはできません。その対象者を支援していた方々が、特に積極的に関わることを義務とするのではなく、さりげなく少しずつ声をかける機会が増えることで、その方が救われることもあるかと思います。それが専門職だけでなく、地域の方々や同じ経験をし、同じ感情を持たれている(いた)方の存在も重要ではないかと考えます。気にしてくれる人が多ければ、吐き出す機会も増えていき、時間が解決できる場合もあると思うので、焦らずに受け止めていけるようにサポートできる体制が整えたらいいなと感じています。

  8. 介護士
     ご主人は国内航路の船乗りで一年のほとんどを海の上で過ごされていて奥様が家族を支えていたようで、ご主人様に対しての想いは強く、家で一緒に暮らす期間が少なかったからこそ、ご主人と少しでも長く一緒に居たかっただろうと感じました。
     また、在宅のご家族様の力の強さ、息子さん家族やお孫さんに会える時間がご主人様の生きがいにもなっていると思われました。ご主人は無理をしてでもご家族の前で平気に振舞おうとされている。しかし奥様には無理をしていることがわかっており、症状が悪化していくなかで、ご主人様だけではなく訪問看護の負担も考えたりしている奥様が素晴らしいと思いました。
     それぞれの役割があってのことですが、在宅の力は素晴らしく訪問介護の私も多くの看取り経験を踏まなければならないと感じました。

  9. 医師
     2018年度の診療報酬改定では一定の要件を満たした末期心不全患者さんに対し,緩和ケアチームによる診療が入院中に行われた場合に,緩和ケア診療加算の算定が認められるようになりました。まだ入院患者さんにかぎり認められた加算ですが、今後在宅で終末期を迎える心不全患者さんが増えることが予想され、在宅医療の現場にも同様の手当てが必要になるでしょう。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

PDFを見る

県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006