- 場所:WEB会議
- 日時:令和6年1月12日(金);午後7時~8時30分
<症 例>
80歳代前半 男性
<傷病名>
#1、胃癌の末期、#2、多発性転移性肝癌、#3、2型糖尿病、
#4、気管支喘息、#5、前立腺肥大症手術後
<挨 拶>
開会挨拶
八幡浜医師会会長
芝田 宗生 医師
<発表者>
座 長
中野医院
芝田 宗生 医師
① 家族状況などの説明
八幡浜医師会居宅介護支援事業所
清水 建哉 コーディネーター
② 症例報告
旭町内科クリニック
森岡 明 医師
③ 訪問看護ステーションからの報告
八幡浜医師会訪問看護ステーション
坂本 美恵子 看護師
④ 連携ツール「メディカルケアステーション:MCS」について
八幡浜医師会居宅介護支援事業所
清水 建哉 コーディネーター
<症 例>
報告内容;PDFファイルをダウンロードしてご参照ください
① 第112回八幡浜在宅緩和ケア症例検討会資料
② MCS登録方法・資料
<議論の要点とコメント>
●急速に進行したAFP産生胃癌の一例
●進行し臨死期になった段階で、不和であった家族との関係性が介護を通して改善していった。この緩和ケアを通して家族理解が進んでいったことの意義について
●多職種連携の情報共有ツールとしてのMCS:メディカルケアステーションについて
<職種別参加者数>
医師 | 10名 | 社会福祉士 | 3名 |
---|---|---|---|
歯科医師 | 0名 | ケアマネ | 8名 |
保健師 | 2名 | 介護 | 3名 |
薬剤師 | 5名 | その他 | 5名 |
看護師 | 18名 | 事務 | 2名 |
- 保健師
今回は、家族の関係性が悪く、家族に会うことが難しい事例でしたが、偶然会うことができた家族(嫁)に、介護されている妻にとって強い存在であることを伝え、介護協力をお願いしたことにより、少しずつ協力が得られるようになった。このように、家族の強みに着目するようにし、介入するチャンスを逃さないというのは、家族や本人に近くで寄り添い、支援をされている訪問看護師さんのすごい技だと思いました。
私も、事例を見るときには、心配な事、注意しないといけない事だけでなく、強みという視点も忘れないようにしたいと思いました。
また、MCS(メディカルケアステーション)についても、大変勉強になりました。セキュリティの面でも安心だと思いました。 - 看護師
看護師の関わり方がすごく良かったと思います。 - 作業療法士
今回の症例検討会に参加させていただき、対象者様とご家族様を繋ぐためにどういった方法がいいのかを模索していくスタッフの方々の思いがとても伝わってきて、自分自身も今後ご利用者様やご家族様と関わる上でとても大切なことに気づかせていただけたように思います。 - 医師
参考までに以下に「AFP産生胃癌」について記載しました。
AFP産生胃癌の代表は肝様腺癌であり、これは肝癌類似の組織像を呈する特殊な胃癌であり、頻度は低いが、高度に静脈浸潤を来しきわめて予後不良な組織型の1つです。 また、AFP産生胃癌にはそれ以外にも卵黄嚢腫瘍類似型癌、胎児腸管型癌などが含まれます。
胃癌の特殊な組織型として、肝様腺癌(hepatoid adenocarcinoma)というものが存在しますが、これは1985年にIshikuraらがα-fetoprotein(AFP)産生胃癌において肝癌類似の組織を呈するものに対してこの名称を初めて用いられました。
しかしながら、AFP産生するが肝癌類似の組織像を示さない胃癌も存在し、肝様腺癌でもAFP陰性のものも存在します。AFP産生胃癌の代表としては肝様腺癌ですが、それ以外でも卵黄嚢腫瘍類似型癌、胎児腸管型癌などがこれに含まれます。なお、AFP産生胃癌は組織形態学的用語ではないので、その用語は胃癌取扱い規約第14版からは組織学的分類としては廃止されています。
AFP産生胃癌は極めて予後不良な高悪性度胃癌と考えられています。5年生存率は22%と、一般の胃癌に比べ有意に低いです。細胞増殖が速く、診断時には、すでに進行例が多く、肝転移を来しやすい胃癌として知られており、同時性肝転移が30%にみられ、通常の胃癌と比較して術後肝転移の出現率が高く、出現までの期間が短いのが特徴です。
今回の症例も診断時にはすでに高度に進行した状態で、ラッシュな経過をたどった一例でした。
<アンケートから>
以下に参加者からのメッセージをまとめました。