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インフルエンザ流行期だからこその咽頭炎再考

咽頭炎:細菌感染症? ウイルス感染症?
2月6日、小学生のインフルエンザA・B重複感染をブログで記述して以来、インフルエンザの患者さんが押し寄せるようになりました。
http://blog.asahimachi-gp-clinic.com/?eid=156
当院のスタッフも2名がB型インフルエンザで休まざるをえなくなり、1名が疑いで休んでいます。
インフルエンザはウイルスですが、ウイルス感染は他臓器に及ぶというのが症状の特徴で、インフルエンザでは上気道の症状以外に全身の関節痛や、全身倦怠感など特定の臓器のみの症状に限局しません。
それに対して、細菌感染は「1つの臓器に1つの菌」というのが特徴です。
インフルエンザ様の症状で「咽頭痛」に関して細菌感染症として見逃してはならない重要でポピュラーな疾患があります。それは、皆さんもよくご存知の「溶連菌性咽頭炎」です。
センター基準;Centor Criteria  (センター先生が提示した溶連菌感染症を考慮して抗生剤を使用するか否かの基準)で、以下の通りですが、当院の患者さんは高齢者が多く、溶連菌感染症の方は皆無と言っていいほどですが、インフルエンザ流行期は、受診患者さんの平均年齢が若くなりますので、溶連菌性咽頭炎も考慮に入れておく必要があります。
【センター基準】

  1. 急性溶連菌性咽頭炎の診断はCentor Criteriaをもとに行う。
  1. 発熱38℃以上:1点
  1. 咳がない:1点
  1. 圧痛を伴う前頚部リンパ節腫脹:1点
  1. 白苔を伴う扁桃腺炎:1点
  1. 3~14歳:+1点
  1. 15~44歳:0点
  1. 45歳~:-1点
  1. Centor Criteriaで4点以上の場合は、抗菌薬治療を行う。
  1. 2~3点の場合は迅速検査を行い、陽性の場合は抗菌薬治療を行う。 
  1. 0~1点の場合は、急性咽頭炎の可能性は低い。

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