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在宅医療で看取るということ。

増える在宅療養を希望されるがん患者さん


7月、8月の2か月で6名の方を在宅で看取りました。このうち、5名の方ががんでお亡くなりになりました。クリニック開院、2年8か月になりますが50数名の方を在宅で看取りました。昨年までは、高齢による老衰、脳血管障害後で寝たきりで肺炎を合併して亡くなられる方などが多く、がんの方の看取りは50%くらいでした。今年に入って、在宅で看取る方は圧倒的にがんの方が増えています。

実際にこれまで看取った方を死亡原因別に振り返り、一つのデータとしてまとめようと考えています。がん末期で在宅ですごしたいという方は多いと思います。私自身がそうなったら、やはり在宅療養、在宅死を選ぶでしょう。しかしながら、このような看取りを含む在宅医療に取り組む開業医は少ないのが現実で、終末はがんセンターなどのがん緩和ケア病棟で迎える方も多くいます。それはそれで選択肢の一つなのでいいのですが、開業医が取り組まないことによる望まない緩和ケア病棟への入院が増えているのも事実です。むしろ訪問看護ステーションや介護関連スタッフの皆さんは意欲は高く、医師がもう一歩踏み出してほしいと内心思われている方は多いのではないでしょうか。

八幡浜在宅がん緩和ケアモデル事業の推進が今進行中ですが、八幡浜という特殊な医療事情をかかえた地域でほかに例のないモデルを構築したいものです。それには医師の理解と行動が不可欠です。高齢になればなるほどがんと認知症の罹患率は上昇することは明らかで、これからの超高齢社会をどう乗り越えるのか問われているのです。