ブログ

COVID-19インフォデミックの渦中に思う

インフォデミックと向き合う

COVID-19の適切な予防行動(マスクの着用やワクチン接種など)はそれを推奨する情報によって促進されますが、不適切な情報でその行動が妨げられ公衆衛生上の問題となります。

2021年12月現在、日本ではデルタ株が終息し一日の新型コロナ感染症の報告は今や過去一年のうち最低となり、COVID-19が終焉したかのような情報が散見されるようになりました。

しかしながら世界ではオミクロン株が新しく発生し脅威となっています。11月には日本でも数例オミクロン株感染が報告されています。このような情勢をベースとしてこの2年間 COVID-19に関する様々な情報が飛び交い、SNSにおいて明らかに不適切な情報が拡散している現象に遭遇することが多くありました。

WHOによればインフォデミックは「疾病の流行時に、デジタル空間および実社会において、誤った情報や誤解を招くような情報を含む情報が多すぎる状態」と定義しています。インフォデミックという用語は、2009年にトロント大学のGunther Eysenbach博士により提唱されました。

COVID-19の背景には科学的な文献(内容が科学的に再吟味されていないものも含む)の爆発的な多さ、SNS上の情報爆発、COVID-19の政治化などが指摘されています。

注意すべきは、誤った情報も、悪意ある情報も、操作された情報も、意図に関わらず情報の生態系を汚染する「インフォデミック」につながり、人々の判断を誤らせる危険性があるということを銘記しなければなりません。

私たちは間違った情報を検証し(ファクトチェック)、誤った情報が広がることを早い段階で察知して正しい情報を提供すること、何が信頼できる情報かを見分ける能力を身に付けることが求められているのではないでしょうか。