第十回 八幡浜在宅医療研究会開催しました。

 平成28年1月16日(土)、八幡浜みなっと「みなと交流館 多目的ホール」で四国がんセンター副院長の谷水 正人先生をお招きして「がんサバイバーシップ時代と在宅医療」と題して講演会を開催しました。

 1981年に悪性腫瘍がわが国の死亡原因の第1位になってから久しく、現在も悪性腫瘍による死亡者数は増え続け、死亡原因の3分の1を占めています。悪性腫瘍は全人口の半数近くが一生のうちに一度は罹患するとされ、さらに年々増加し続けています。
 がんはもはや特殊な病気ではなく、common disease になったと言えるでしょう。このような情勢から、専門医だけではがん患者さんを支えることは不可能で、これからは、総合内科医(総合診療医)や、家庭医、在宅診療医が積極的に関わっていく時代になっていくと思われます。
がんサバイバーシップ(Cancer Survivorship)とは、「がんを経験した人が生活していく上で直面する課題を家族や医療関係者、他の経験者と共に乗り越えていくこと。また、そのためのサポート」と定義されています。
 このがんサバイバーシップとは、もともとは、1986年に全米がんサバイバーシップ連合(NCCF)が、全アメリカ国民への質の高いがん診療を実現するよう働きかける目的で設立されたのが始まりですが、「がんの診断を受けた者は、生涯を全うするまでがんサバイバーである」と位置づけました。
八幡浜医師会では、愛媛県在宅がん緩和ケア推進モデル事業に参加し、「がん患者における在宅診療」の推進に取組んでいるところであります。

 第10回在宅医療研究会講演会は、毎月第1金曜日、在宅がん緩和ケア症例検討会のスーパーバイザーとしてご参加ご指導いただいております谷水 正人先生にご講演をお願いしました。

「がんサバイバーシップ時代と在宅医療」の資料をPDFで掲載しました。

  1. 以下に参加者からのメッセージをまとめました。
    医師 58歳 男性
     信念対立解明アプローチという概念を初めて知りました。非常に興味深いと思いました。

    社会福祉士 44歳 女性
     愛媛県全域における拠点病院の役割を知ることができました。
     ホスピスとがん末期の平均在院日数がすごく短期間だということが分かりましたが、それまでの在宅支援する仕組みと、八西地区では、そういった緩和ケア病棟がなく松山(中予)まで行かないと、最後病院で看取ってもらうことができないということが残念だと思った。
     南予にもっと在宅と本当に最後を看る病院が身近にあると、入院しても家族が近くに居ながら病院での看取りもできるのにと思った。紹介されたチーム医療の本は是非読みたいと思った。

    社会福祉士 43歳 女性
     大変勉強になりました。ありがとうございます。
     愛媛県が進んでいることを初めて知りました。私たちもできることを考えていきたいと思います。チーム医療は難しいです。ドクターは特に難しいです。

    社会福祉士 31歳 男性
     チーム内の対立の話しにとても興味がありもっと話を聞いてみたい。
     患者の治療だけでなくライフスタイルまで支援する暖だんのシステムはすごいと思った。

    看護師 75歳 女性
     利用者のかかりつけ医療機関との連携(指示)で、がん患者とその家族を支援しています。病状が末期となり、通所から泊まり在宅訪問の経過をたどっていますが、ご家族の受け止め方において対応しにくく支援の在り方に苦慮します。
     今日のお話し大変参考になりました。

    看護師 62歳 女性
     チーム医療は難しい、実感しています。解明アプローチ入門で勉強したいと思います。

    看護師 61歳 女性
     緩和ケアについての知識、在宅医療研究会の取組よく分かりました。有難うございました。

    看護師 61歳 女性
     方法の原理の話に興味を持ちました。
     「状況」が変われば「方法」は変わる。いろんな全てのことにおいて共通すると思います。チーム医療においても参考になります。

    看護師 60歳 女性
     チーム医療が効果的にできるのは、共存意識をもつことが大切。利用者さんとその家族を中心に求められることが達成できるように、お互いに話し合うことが必要であると思う。上下関係であるという意識を持つことは禁物。相手が傷つかないアサーライブな表現が大切である。

    看護師 59歳 女性
     緩和医療、在宅医療従事者の一員として質の向上目指していきたい。

    看護師 58歳 女性
     初めての参加でしたが、たいへん勉強になりました。八幡浜にも連携推進病院が早くできると良いと思います。在宅医療、在宅緩和医療など講演会があればまた参加したいです。本なども購入して勉強します。

    看護師 56歳 女性
     在宅で最期を迎える人が多いこと、支援できる体制が必要。病院で亡くなる人が多いと思っていたが、実際は在宅で医療をしていることを知った。緩和ケアの考え方が変わった。
     チーム医療はやはり難しいと思った。

    看護師 55歳 女性
     最新のがんの状況について聞くことができ有意義な時間でした。今後に活かしていきたいと思います。

    看護師 54歳 女性
     在宅医療に訪看として係っていますが、多職種との連携は正直難しいと思っています。信念対立解明アプローチを参考にもう一度自分を見つめ直したいと思う。

    看護師 53歳 女性
     愛媛県でのたくさんの委員会や推進作業を知りました。後半紹介いただいた本は是非読んでみたいと思いました。

    看護師 52歳 男性
     がん患者に対し社会として大切なことは、在宅医の支援、多職種の連携、市民の相談窓口が必要であるということが分かった。ウィッグが一番多く出しているのが四国がんセンターということは、やはり外見ケアの重要性が明らかであり、女性には欠かせないことがよく分かった。

    看護師 52歳 女性
     愛媛県ががん対策にとても力を入れていることにびっくりしました。また、信念対立解明アプローチは読んでみたいと思いますし研修に参加できたらと思いました。
     有り難うございました。

    看護師 51歳 女性
     在宅医療研究会講演会に参加して、緩和ケアの大切さとチーム医療の難しさの説明を聞いてなるほどと思いました。お互い協力して患者さんのケアを一番に考えて、自分の考えが正しいと思わず、経験者を参考にして勉強したいと思いました。今日は有り難うございました。

    看護師 49歳 女性
     在宅で療養されいるがん患者の利用者に携わることがよくありますが、ご本人との信頼関係も大切ですが、その利用者さんを取巻く家族とのかかわりも非常に大事だと思います。やはり、そのためには、利用者に関わっている多職種との連携というものが大変大事だということが、今日の講演を聴いて再確認させられました。
     利用者、家族ともに安心して在宅療養生活が継続できるよう支援していきます。私自身も今以上スキルアップしていきたいです。

    看護師 48歳 女性
     在宅緩和ケア推進事業などの参加、今求められる緩和医療に対して学習を継続することで全体の統一感を知識として情報収集し、チーム医療に役立てていきたいと思います。
     多職種との連携、チーム医療是非参加したいと思います。解明できるアプローチを互いに協力し合える関係作りを学習したいと思います。

    看護師 47歳 女性
     在宅、病院での看取りの連携の大切さを知りました。チームでの連携を取ながら、患者様への看護、介護を今以上に取組んでいきます。本日は講演に参加させていただき有り難うございました。

    看護師 46歳 女性
     在宅でのがん患者様を支えるには、チームでの連携が重要になっていく中で、改めて協力体制が必要だと感じました。
     信念対立解明アプローチを参考にさせていただきます。

    看護師 45歳 女性
     チーム医療の難しさを実感していますが、発想の転換のきっかけを持つことができました。

    看護師 43歳 女性
     医療機関への患者さんの状況報告等はよく行うので、先生方は訪看などの情報を得られやすいと思いますが、先生の往診時の情報はなかなか得られにくいです。いい方法があれば教えていただきたい、がんセンターではどうされているか教えていただきたい。
    Aクリニックは往診時の情報を送っていただいていますが、他の先生の場合は検査データーも分からない時があります。

    看護師 41歳 女性
     チーム医療についてのお話しが参考になりました。愛媛の現状を知ることができました。ありがとうございました。

    看護師 39歳 女性
     今後2025年問題もひかえている今、病棟の中だけでなく地域にも目を向けた活動を行っていきたいと思います。

    看護師 32歳 女性
     貴重なお話有難うございました。
     信念対立解明アプローチや構造構成理論は大変興味深かったです。

    看護師 29歳 女性
     愛媛県では、がん対策について協議会や拠点病院、推進モデル事業などのことが全国的にも進んで行われていることに驚きました。また、チーム医療の難しさもあるため、信念対立解明アプローチなどで勉強していきたいと思います。

    看護師 年齢なし 女性
     現在在宅がん患者さんのご支援をさせていただいております。多職種の連携のお話が、谷水先生のお話の中でむずかしいと言うようなお話でしたが、今のところ多職種で難しいとは思いませんが、ご家族の本音がどこにあるかわからない難しさがあり悩みです。現在の支援で満足されているのか?その反対なのか…。等を含めて。

    保健師 41歳 女性
    県のがん対策に基づいて各部会があり、ケアマネ、ヘルパーの研修もあることを初めて知った。 医療になると敷居は高くなるが、在宅介護を支援するメンバーの一員として、ケアマネ、ヘル
    パーを対象とした研修に参加してレベルアップしていけたらと思う。
    暖らんのチラシをよく保健センターにいただく。市内のケアマネに知らない人も多いと思うの
    で周知していきたい。
    チーム力の話はぜひ聞きたいので来年度も是非参加したい。

    保健師 34歳 女性
     信念対立解明アプローチの話は、緩和ケアに限らず、多職種(同職種でも)との協働を考えた上でぶつかりやすいので非常に参考になりました。
     保健分野で、がん検診の周知や受けやすい環境づくりに取り組んでいるが、がん患者さんとの関わる機会がなく、他に自分の立場でできることはないか、何ができるかを考えていきたい。

    保健師 25歳 女性
     在宅医療のおけるチーム連携の難しさを知りました。実際の現場に出る業務はしていませんが、これから自分としてはどうしたらいいのか、ためになるお話を聞くことができて良かったです。

    ケアマネ 58歳 女性
     愛媛県のがんサバイバ―に対していろいろな支援があることを知りました。何より谷水先生の温かいお人柄に触れ、今後自分ができることを考えていきたいと思います。

    ケアマネ 56歳 女性
     勉強になりました。続けて欲しい内容がたくさんあります。これからもご指導よろしくお願いいたします。

    ケアマネ 54歳 女性
     愛媛県や松山市での在宅医療についての説明。チーム医療の難しさ(共通の目的を持ち歩み寄る関係性を構築することが大事)など解りやすく講義していただき勉強になりました。
     拠点病院のない八幡浜圏では、今後も在宅緩和ケアとして対応する機会もあるかと思いますが頑張って係っていきたいと思います。

    ケアマネ 52歳 女性
     ニーズの多様化に対応していけるように、地域の特性や支援センターの支援業について知る
    ことができました。

    ケアマネ 51歳 女性
     地域で安心して暮らせるような体制が充実できるようにしてほしい。

    ケアマネ 49歳 男性
     大変有意義なお話であったと思います。

    ケアマネ 48歳 女性
     緩和ケアに興味があったが、この研修会で最新の情報を知ることができ良かった。
     信念対立の解明アプローチは、介護の場面でも参考になると思った。是非読んでみたい。

    ケアマネ 40歳 女性
     内容が分かりやすく話も楽しかった。
     在宅医療での連携やチームケアを上手く進めていく参考になった。

    ケアマネ 38歳 男性
     がんに対するシステム、組織の取組について大変わかりやすく勉強になりました。ありがとうございました。

    ケアマネ 年齢なし 女性
     谷水先生のお話は判りやすく、濃い内容で大変勉強になりました。
     県の動きやがんセンターの取組などよくわかりました。
     八幡浜市が、松山市と同様に環境が整うことはなかなか難しいとは思いますが、市立八幡浜総合病院が拠点病院となり、患者、家族が安心感を持てると良いです。また、それを支える私たちも支援法方法を日ごろから学んでいきたいと思います。

    ケアマネ 年齢なし 女性
     知らないことがたくさんあり勉強になりました。帰ってから少しずつ調べて勉強したいと思います。

    機能訓練 61歳 女性
     今回の話を聞き在宅医療の流れ少し理解できました。また、勉強会等参加したいと思います。

    ST 40歳 男性
     在宅での医療、ケアについて理解が深められました。後半の患者様の必要とする「もの」「ニーズ」に応えられないように組織づくりは感動しました。

    リハビリOT 34歳 女性
     最後まで面白く集中して聞くことできました。貴重なお話を聞ける講演会に参加できよかったです。

    PT 32歳 女性
     愛媛の在宅緩和ケアの現状を知ることができました。
     四国がんセンターの患者、家族の支援への取組が本当に必要とされる支援を考えてされていることに感動しました。
     チーム医療における「信念対立」いろいろな状況で見られることだと思うのですが、本を読んでみたくなった。

    PT 32歳 男性
    今後、がん治療に係るため必要なお話を聞かせていただき楽しかった。

    理学療法士 30歳 男性
     「方法の原理」はあらゆる専門職が意識することだと感じました。
     患者、家族総合支援センター「がん」に対する取組は「延命治療」が主であったと思います。食事や外見、社会などに注目して支援していく、こういった支援が広がればと思います。

    言語聴覚士 30歳 女性
     地域へつなげていくことやがん患者様に対しての考え方など勉強になりました。

    作業療法士 27歳 女性
     信念対立解明アプローチについて興味深かったです。

    PT 24歳 男性
     がん医療に対するチームの連携や在宅医療が行える環境設定等、リハビリスタッフの介入できる点勉強になりました。

    PT 23歳 男性
     県内での取り組みについて理解ができました。信念対立解明アプローチに関して勉強したくなりました。

    介護福祉士 73歳 女性
    チョット難しい、でも必要なお話だったと思いました。がんの方の医療費(長期の方)の負担が多いように思います。働いていても医療費にほとんど必要と云われていました。(独り者)

    介護職 39歳 女性
     信念対立解明アプローチという考え方を知れたのが収穫でした。早速アマゾンに注文します。

    ヘルパー 61歳 女性
     これから在宅緩和ケアがもっともっと必要になると思います。わかり易い説明会や研修をうけていきたと思いました。

    ヘルパー 52歳 女性
     在宅の利用者さんとかかわっています。まだまだ手探りの状態ですので、もっと勉強していきたいと思います。

    職種 年齢なし 女性
     長生きすればがんになるという考えからすると、高齢者が多い南予地域にがんの拠点病院、推進病院がないことに不安を感じます。
     県内のがん対策の流れ、実情がよくわかりました。
     「方法の原理」「信念対立解明アプローチ」の話は特に興味深く聞きました。
     訪看、チーム医療に限らず日常的な人間関係でもよくあったと思いました。
     外観ケア、子どもに関するケア』、就労への取組など素晴らしいと思いました。

    鍼灸マッサージ 57歳 男性
    がんサバイバ―シップの全体像を聴くことができとっても参考になりました。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

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県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006