第十三回 八幡浜在宅医療研究会開催しました。

市 民 公 開 講 座
がんになっても八幡浜で安心して過ごしたい!!
~地域に根ざした緩和ケアの構築を目指して~

  1. 2017年12月2日(土)13:00~15:30、
    於:八幡浜市保健福祉総合センター4階
  2. 講師:
    ◎医療法人 聖愛会
     ベテル在宅診療部
     ベテル在宅医療支援センター
     地域看護専門看護師
     所長 吉田 美由紀 先生
    ◎松山ベテル病院
     認定医療社会福祉士
     愛媛県医療ソーシャルワーカー協会
     理事 太田 多佳子 先生
    ◎旭町内科クリニック
     院長 森岡 明 医師
  3. 講演<13:30~14:45>
    ①在宅緩和ケアとは、自宅がホスピスになる?
    ②自宅で医療を支える様々な制度について
    ③がん患者様の自宅での看取り(事例発表)
  4. パネルディスカッション<14:50~15:25>
    八幡浜在宅医療現場の生の声を届けます。
    患者様御家族(石田幸政氏)、市立八幡浜総合病院医師(武田肇先生)、
    薬剤師(井上正廣先生)、訪問看護ステーション(坂本美恵子氏、菊池世津子氏)、
    ケアマネージャー(井上里美氏)、ホームヘルパー(岡亜紀氏)、
    コーディネーター(清水建哉氏) の現場からの報告。

<講演要旨>

吉田 美由紀 先生

多くのがん患者さんが、松山圏域の専門病院へ通院しなが日常生活が長く保たれることがありますが、看取りが近くなると急激に様態が悪くなるのもがんの経過の特徴です。がん緩和ケア病棟がない南予地域では、県が実施するがん緩和ケア・コーディネーターを配置し、コーディネーターは24時間体制の在宅緩和ケアチームと地域の基幹病院との連携を推進し、患者さんとその御家族が希望する生活が地域内で可能になるよう調整する重要な役割を担います。すでに、八幡浜では、チームのサービスによってがん患者さんが在宅で最後まで過ごされています。今後も、症例検討会を月に1回継続され、緩和ケアのスキルアップを図っていくことに期待しています。

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太田 多佳子 先生

自宅での医療を支えるさまざまな制度を紹介され、高額医療費負担や所得補償、生活保障など公的制度について解説していただきました。在宅での医療費負担を「医療保険の種類や診療内容によって違ってくる」として、先生が勤務されている松山ベテル病院での事例を交えながら年齢や収入によって異なる費用負担の差や、負担にも限度額が設定されていることのほか、訪問看護における1ヶ月の負担目安についても説明していただきました。がんになると、体の痛みだけでなく、精神的な痛み、社会的な痛み、スピリチュアルな痛みなど全人的な苦痛が生じます。それをどう軽減するか、八幡浜には力強いチームができており心配なく過ごせる緩和の力になっています。

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森岡 明 医師

患者様御家族の承諾をいただき、尿膜管がんで亡くなった49歳男性の事例について提示しました。尿膜管がんで、発症12年を経過しておりました。これまで何度も再発を繰り返し、治療への反応もよく、腎瘻、人工肛門を造設されていましたが、仕事にも復帰されていました。平成27年8月に再発。ご本人は在宅での療養を希望され、当院で在宅がん緩和ケアを主体に定期的に訪問診療・看護をすることになりました。予後の説明も冷静に受け止められ、4人の息子さん(上は高校生、下は小学生)にも、自身の口から今後の起こりうるであろう状態を説明され、ご家族も献身的に看護されました。信仰の厚い方で、最期まで自分自身の意思と尊厳を貫いた方でした。がんと診断された時から緩和ケアは始まっており、多専門職連携協働で取り組むことが重要です。

公開講座フライヤー

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

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県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006