第十七回 八幡浜在宅医療研究会開催しました。

令和元年10月27日(日曜日)午後1時30分~午後3時、「八幡浜市保健福祉センター」で日本赤十字看護大学大学院教授の田村 由美先生をお招きして、「在宅医療・在宅ケアにおける多職種連携協働」と題して講演会を開催しました。
講演には、八幡浜市、大洲市など多職種の方々63名が参加されました。

    田村由美先生の御略歴

  1. 学歴:
    London South Bank University, Graduate School of Health and Social Care, Interprofessional Health and Welfare Studies (英国)
  2. 学位:
    博士(人間科学・早稲田大学・課程外)
  3. 職歴:
    松山赤十字病院、大阪赤十字病院、香川大学医学部看護学科、神戸大学大学院保健学研究科、滋慶医療科学大学院大学
  4. 研究テーマ:
    災害マネージメントにおける多職種・多機関連携と協働、災害時のパブリックヘルスに関する研究
  5. 主要所属学会:
    日本災害看護学会、日本看護科学学会、国際保健医療学会、日本看護教育学会、日本創傷・オストミー・失禁管理学会
  6. 主要著書・論文:
    田村由美:新しいチーム医療-看護とインタープロフェッショナルワーク入門,看護の科学社,2012
    Y. Tamura, Y. Ishikawa et.al.: Becoming Interprofessional at Kobe University, In H.Watanabe, M. Koizumi Edit.: Advanced Initiatives in Interprofessional Education in Japan, Springer, 2010

 在宅療養では訪問型のサービスが基本となります。訪問診療や訪問看護、訪問介護という“点”の関わりを積み重ねる中で、刻々と変化しうる状況を把握するとともに、適切な介入を行わなければなりません。この制約を乗り越えるためには、関わるすべてのスタッフが周到に情報を共有し、“面”として治療やケアにあたる必要があります。
近年、チーム医療を表すinterprofessional work(IPW)という概念が広まってきています。IPWとは“患者さんのために”お互いの役割分担と責任を明確にし、共通の目標目的をもって協力して取り組むチーム医療を意味します。実現のためにはメンバーが互いに意見を出し合い、議論できる関係性が求められます。
私たちは、2012年12月21日に愛媛県介護支援専門員地域リーダー養成研修 (八幡浜市・大洲市・西予市・伊方町地区) でIPWについて勉強しました(PDF参照)が、その後学問的にも進歩してきており、このたび日本赤十字看護大学大学院教授 田村 由美先生をお迎えし「在宅医療・在宅ケアにおける多職種連携協働」と題してご講演していただきました。
田村由美先生のご許可をいただき、講演スライドをPDFファイルの型式で掲載します。
PDF 「在宅医療・在宅ケアにおける多職種連携協働」スライド
参加された方々にいただいた、ご意見を以下に掲載します。

  1. 事務員
    これからの超高齢化社会を迎えるにあたり、より良い地域包括ケアシステムを成立させていくには、やはりお互いを信頼し合う多職種連携協働が必要であると改めて考えさせられました。
  2. 歯科医
    歯科医師も自ら学び、患者のために相互依存できるよう努力していきます。
  3. ケアマネ
     ケアマネとして、カンファレンスの準備が重要で大切なことが実感できました。
     各職種のレベルの違いも大きな差があります。1つのケースを一緒に対応し上手く行けば次に繋がっていくと実感します。
     理論的に多職種連携を理解できたように思います。
  4. 介護士
     今回も多職種連携について、再度重要性がよくわかりました。私も訪問入浴という職種で色んな病気や生活感のある患者様ばかりなので、常に訪問するたび、「新しい発見がないか」を考え、見たりしています。もちろん安全に入浴できる方法も色々試しています。そこで他の職種の方の事も考えていけば、よりよい関係性ができ患者様が元気になっていくと思います。患者様の笑顔を見るのは自分の幸せです。
  5. 介護士
     今回も多職種連携について、再度重要性がよくわかりました。私も訪問入浴という職種で色んな病気や生活感のある患者様ばかりなので、常に訪問するたび、「新しい発見がないか」を考え、見たりしています。もちろん安全に入浴できる方法も色々試しています。そこで他の職種の方の事も考えていけば、よりよい関係性ができ患者様が元気になっていくと思います。患者様の笑顔を見るのは自分の幸せです。
  6. 介護士
     多職種連携協働に力を入れていきたいと思います。参考になりました。社内ミーティングで取り入れてみたいと思います。
  7. ロロロ
     連携をするには、他の職種の事を分かっていないといけない。チームを作るための弊害があり、教育、勉強をする機会も必要です。何にでも当てはまると思います。仕事や家庭、友達、これは私たちの人生でもあると思います。
  8. ケアマネ
     理論的に考え方を教わり、理解することができました。他の方を認めることを大切に、意識し、行動していきたいと思います。
  9. 看護師
     訪問看護師として実践していることを思い浮かべながら聴講でき、IPW、IPEがわかりました。
  10. 生活相談員
     IPWについて聞いたのは初めてでした。これから各職員、他職種の方と意見を交換しながら行っていきたいと思います。
  11. ケアマネ
     初めて参加させて頂きました。IPW、IPEのことについて知りませんでした。まだチーム医療の段階でなかなか難しい課題だと思いますが、少しでもこのような講演会に参加して知識を得ることもひとつのIPEだと思います。
  12. 看護師
     会議は「準備が基本」を改めて意識し、自身の担当者会議には準備できるものを用意する努力をしたいと思います。
  13. 保健師
     とても参考になりました。災害対応で多職種がどのように連携をしていくのかを考えていたところですが、連携の意味を改めて学ぶことができ、今後に活かせる内容でした。
  14. ケアマネ
    今まで聞く機会がなかった深い内容で、新鮮でした。今すぐに考えがまとまりませんが、資料を読み返していきたいと思います。
  15. 薬剤師
     人の数ほど人には違いがあり、だからこそ在宅医療、在宅ケアに限りがなく、ただひとつの正解もないのだろうと思えます。私の立場で何ができるのか、肩の力を抜いて継続できる何かを捜しながら、皆さんの足を引っ張らないよう日々考えていきたいと思います。
  16. 保健師
     多職種連携の大切さをとても感じました。今日はチームの話合いの持ち方等ヒントをたくさんいただきました。日々の活動に活かしていきたいと思います。
  17. 介護支援専門員
     多職種連携協働の重要性を再認識しました。相互作用しながら対等の立場で協力し合うことで1+1=2以上のものになること、意見が違うことは悪いことではなく良いことであり、互いに尊重することで目標が達成できることを勉強させて頂きました。
  18. ケアマネ
     学習することより、自分自身を変容させていき、仕事に活かすことの大切さを知ることができました。他職種で共有していくことの難しさは実感していましたが、それに対し自分がどのように動くかを考えさせられました。考えるだけではなく実践の場でどうチームで取り組んでいくのか、自身で開拓していきたいと思います。
  19. 看護師
     日頃から多職種連携はしている方だと思いますが、互いの仕事を尊重して、チームワークを高めていきたいと感じました。
  20. 看護師
     多職種連携では協働の大切さを再確認しました。患者、家族もプロを捉えるということが印象に残りました。
  21. 看護師
     今は小さな職場で看護師だけの環境で仕事をしていますが、今後の活動のなかで幅を広げ活かしたいと思います。
  22. 看護師
     協働の理解ができました。相手が何を考え行動しているか理解することが大切だと学びました。
  23. 医師
     今後の八幡浜在宅医療研究会や八幡浜在宅緩和ケア症例検討会の運営方法を、もっとIPW的に再考し、多職種のスタッフそれぞれがエンパワーメントできるよう工夫する必要性を感じました。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

PDFを見る

県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006