平成25年3月13日(水)八幡浜医師会・八幡浜在宅医療研究会と市立八幡浜総合病院・八幡浜市共催で第2回地域がん緩和ケア症例検討会(会場:市立八幡浜総合病院中央診療棟3F研修室)が開催されました。
- 在宅がん緩和ケアにおける 症状マネジメントの実際
医療法人 聖愛会 ベテル在宅療養支援センター
地域看護専門看護師 吉田美由紀先生
(PDFファイルで掲載)
1月23日のまとめ
平成25年1月23日に開催された第一回地域がん緩和ケア症例検討会で多職種の方から寄せられた意見です。
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緩和ケアの必要な方を担当するにあたって困ったこと・不安に思うこと
~1/23第1回がん緩和症例検討会のグループワークより~
<ケアマネジャー>
① 家族・本人が病気を受け入れられていない混乱している時期に、新規で担当した時、往診医、訪問看護がまだ決まらない間がとても不安だった。
② 病気の進行スピードが速く、急変する。
③「最後まで自宅で看る」と考えていたが、途中で、家族が「やっぱり病院で」と変わる。
④ 受け入れてもらえる医師が限られている。
⑤ 経験不足。
⑥ 医療的な知識が十分ではない。薬のこともよくわからない。
⑦ 病状がだんだん悪くなっていくのを目の当たりにして、不安が増した。
⑧ がん患者というだけで、「急変したら対応できない」「看取りはできない」などの理由で通所・ショートの利用や施設入所・転院を断られる。
<介護職>
① 症状が不安定な時の対応と連携が不安。
・熱があった場合、どこまで連絡すればいいか
・傾眠状態が続いた場合。
・訪問するたびに状態が変わっている場合。
・痰の吸引が必要な状態。
・どのような形で水分補給をしたらいいか。
・誤嚥が心配。
・できるヘルパーとそうでないヘルパーのギャップをどう埋めるかが課題。
② 緊急時の対応。
・すぐ対応してくれるサービスがない。
・ヘルパー訪問時、利用者の体調が悪くても、次の訪問の約束があるので、事務所に連絡はとるが、そのままにして帰ることがある。(とても心配)
・具体的な連絡方法の確認が必要。
③ 告知の問題
・本人家族の意思統一が出来ているところは、訪問しやすいし、ケアもスムーズに受け入れられるが、そうでないところは、関わり方に悩む。
<看護師>
① 急変時や時間外・夜間など連絡のつかない在宅医がいる。
② 初回治療した病院(特に市外の病院)の情報がわかりにくい。告知や予後などの説明が不十分。記載もあったりなかったり。
③ 告知の状況、治療方針など説明が不十分だったり、患者家族の理解・受止めが十分でない時がある。
④ 老老介護や認知症のお年寄りも増え、客観的な判断が難しい。
⑤ 病気や治療など情報が十分把握できていない場合、声掛けや対応に悩む
⑥ 主治医と患者家族の治療に対する思いのズレがあった場合、関わり方に悩む。
⑦ ケアマネや訪問看護師、介護スタッフに対応能力の差がある。
⑧ スキルアップのための勉強会等の機会がない。
⑨ 医師のムンテラの内容によっては、患者家族に不安が残ることがある。
⑩ 悪化時の受入れ先がない。
⑪ 急変時の連絡の取り方が難しい。
⑫ 独居・高齢夫婦など介護力が弱い家庭が増え、在宅復帰が難しくなっている。
⑬ 入院期間が短期間だったり、外来での関わりには時間が限られており、十分な関わりが出来ず、これでよいのかと悩む。
⑭ ケアマネや訪問看護との連携のとりかたがわからない。
⑮ 病院スタッフと在宅に関わる職種との連携が出来ていない。
⑯ 退院先がない
特に食事がとれない場合、在宅は家族が拒否。施設も受入れ拒否。
<薬剤師>
① 食事が摂れなくなり、物が食べられない苦しさを訴えられた時、対応に困った。
② 食欲がおちて、内服薬も飲めないと相談された時、何も出来ない無力さを感じた。
③ 病院からの連絡が、処方箋のみなので患者さんの背景もわからず、薬剤師としての対応の仕方に困る。 (病院とのミーティングに参加できないものか?)
④ 患者さんの情報の不足(告知の有無など)
⑤ 痛みのコントロールや現状把握が弱い。
⑥ 服薬状況の確認(老々介護、独居、認知症の老人が増え、正確な情報が得にくい)