第45回 八幡浜在宅緩和ケア症例検討会

  1. 場所:八幡浜医師会館3階 会議室
  2. 平成29年12月1日(金);午後7時~8時30分
  3. <症 例>57歳、女性
    <傷病名>S状結腸癌、肝転移、腹膜播種、癌性腹膜炎
    <発表者>
       八幡浜医師会・清水建哉コーディネーターから家族背景などについて
       主治医・矢野脳神経外科医院・矢野 正仁医師より症例経過について
       訪問看護ステーション「いこい」・中村 ゆかり看護師より

それぞれご発表いただきました。

    <症例サマリ>

  1. 病歴:2012年12月26日 S状結腸癌、肝転移と診断
         2013年1月28日 原発巣切除
         2013年2月18日 化学療法開始
         2016年10月13日~2017年3月16日 化学療法
         2017年3月24日 癌性腹膜炎にて入院
         2017年5月10日 在宅療養となった
         在宅医療期間;2017年(平成29年)5月13日~9月7日

    <議論の要点>

  1. 緩和ケアの終末期に患者さんが苦悶し、家族から「何とかしてくれ」と要請があった場合、どう対応すべきか、を主な主題に討論されました。
    患者さんの生活背景や、家族間の事情などさまざまな要因を考慮しながら対応することの重要性などが話し合われました。
    また、これと関連して、身体的な疼痛のみではなく、心理的・社会的・霊的(スピリチュアル)な痛みを考察しながら関わることの重要性が議論されました。

<職種別参加者数>

合計  51名
医師 4名 社会福祉士 4名
歯科医師 1名 ケアマネ 14名
保健師 3名 介護 7名
薬剤師 1名 その他 3名
看護師 13名 事務 1名

    <アンケートから>
    以下に参加者からのメッセージをまとめました。

  1. 保健福祉士
    ご本人の痛み、苦痛を薬で緩和できない理由が息子さんへの思いからか、ということを探るやり取りがとても興味深かった。
  2. 看護師
    多職種連携協働の重要性を学ばせていただきました。患者様だけではなく家族の不安の軽減のため、サポートの重要性を学べました。また、患者様や家族の心理状態の面まで深く配慮する支援の大切さを学べました。
    ベストを求め過ぎずベターで良いとの考え方も大切である事を学べました。
    スピリチャル的な疼痛も場合によってはあることも、今回のケースから学べました。
  3. ケアマネ
    家族や多職種が不安を抱えながら協働していることがわかりました。
  4. ヘルパー
    家族様への対応として色々な意見を聞けて、そのお客様にあった方法を選択していきたいと思います。改めてターミナル期での看取りの関わり方について考えていきたい。
  5. ケアマネ
    医療処置を丁寧に教えていただき大変勉強になりました。
  6. 精神保健福祉士
    ご本人、ご家族の価値観をどこまで理解できているか、無意識に自分の価値観が滑り込んでしまわないように、と気づかせていただきました。
  7. 看護師
    取れない痛みに対する向き合い方や、多職種連携の重要性、家族の介護力を高める為の指導の必要性等勉強になりました。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

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県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006