- 場所:八幡浜医師会館3階 会議室
- 日時:平成30年3月2日(金);午後7時~8時30分
<症 例>72歳、男性
<傷病名>胃癌、肝転移、腹腔内リンパ節転移
<発表者>
八幡浜医師会・清水建哉コーディネーターから家族背景などについて
旭町内科クリニック:森岡 明医師より症例経過について
八幡浜医師会訪問看護ステーション・坂本 美恵子看護師より
それぞれご発表いただきました。
<症例サマリ>
平成25年1月26日より高血圧症で加療中だった。旭町内科クリニックで母親を在宅診療で平成28年1月7日に看取ったいきさつ有り。
平成29年9月6日、炎天下で山で草刈の作業後、食欲不振、全身倦怠を訴え来院。肝機能障害を認め、腹部CTで多発性の肝腫瘍を認めた。県立中央病院へ紹介。精査後、低分化型胃癌で肝転移の診断だった。平成29年10月、積極的治療は全身状態が悪いため緩和ケア中心の方針となった。
在宅医療期間;2017年(平成29年)10月28日~(平成30年)1月27日
(平成30年1月27日 自宅にて死亡)
<平成29年9月20日画像>
- 高血圧症のため、定期的に通院されていた。経過中がんを疑う訴えもなく、血液検査などに異常はなかったため、消化器関連の検査はしていなかった。平成29年9月受診時の訴えの内容から炎天下の作業後の熱中症をまず考えた。しかしながら、肝機能障害を認め、画像診断で肝がん(転移性)を認めた。早期に胃がんを発見できなかったことを悔いているが、プライマリ・ケア医として検診などを勧めることの重要性を痛感した。
- 経過中、松山の針灸院で色彩治療を受けられたが、緩和ケアチームとの連携関係はなく、処方内容の干渉や検査の提案など、場面によって違和感を感じながらのかかわりだった。患者さんにとっては一定の精神的安心につながったであろうと思われたが、このケースのような場合積極的に当該針灸治療院に多専門職協働チームの一員として積極的に呼びかけ、意思疎通を図るべきだったのか。当該鍼灸院の患者さんへの対応が「施術」をすれば必ず治る、治らないのは努力が足りないなどと患者さんを「励まして」おり、立ち位置として全く異なるとの理由から連携関係を築くのは無理だという意見が出された。
<議論の要点>
<職種別参加者数>
医師 | 10名 | 社会福祉士 | 2名 |
---|---|---|---|
歯科医師 | 1名 | ケアマネ | 10名 |
保健師 | 3名 | 介護 | 4名 |
薬剤師 | 3名 | その他 | 2名 |
看護師 | 13名 | 事務 | 1名 |
- 鍼灸マッサージ師
前回、宗教、信仰の話が出たが、一度、体系的に宗教とは何か、信仰とは何か、議論する機会があってもいいのではないでしょうか。 - 看護師
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ - 看護師
深い議論ができて楽しかったです。 - 介護士
病気に対してどうにか治る方法を考え、食べ物や治療をされた家族様ですけど、ご本人も「生きる」という事に向き合っていた。家族様のやり方を否定せず、見守りながら接することを学びました。
ご本人が一番、病気と闘っているので弱りがちになるから、少しでも気が安らぐような会話や接し方をしていきたいと思います。 - 精神保健福祉士
本人、家族が信じるところ、やりたい事を医師、訪問看護師が受容し、本人、家族が本当に困った時には安心の受け皿になっていることで、本人、家族がその人らしい満足のいく生き方に繋がっていたように感じ素晴らしいと思いました。 - 保健師
標準治療と民間療法については、標準治療プラス支障のない程度の民間療法は良いかと思います。まずは、標準治療が本人、家族に受入れられるよう、身近な相談者が必要と思いました。それを誰が行うのか、かかりつけの医師、きちんとした知識を持った経験者や家族等の身近な人でしょうか。 - 介護士
身体は辛い状況でも東洋医学色彩治療を信じて、絶対治るという本人の思いの中での治療は大変だと思います。森岡先生、訪問看護師の皆さんの大きな器の中で、本人、家族は安心され信頼されていたのではないでしょうか。
<アンケートから>
以下に参加者からのメッセージをまとめました。