第59回 八幡浜在宅緩和ケア症例検討会

  1. 場所:八幡浜医師会館3階 会議室
  2. 平成31年3月1日(金);午後7時~8時30分
  3. <症 例>70歳、女性
    <傷病名>食道癌
    <発表者>
      ①医師会コーディネータ¬ーより家族背景などについて
       八幡浜医師会・清水 建哉ケアマネージャーから
      ②主治医より病状経過について
       市立八幡浜総合病院・的場 勝弘先生から
      ③緩和ケアチームの取り組みについて
       市立八幡浜総合病院・大塚 菜穂子看護師から
    <症例>
    PDFファイルをダウンロードしてご参照ください

    <議論の要点>

  1. 市立八幡浜総合病院がん緩和ケアチームの活動報告
  2. 疼痛コントロールについて。
  3. 患者様の「家に帰りたい」のことばに秘められた様々な意味についてどのようにスタッフは受け止めたか。
  4. 看護師の仕事として、家族構成などを詳しくまとめ、エコマップの作成をしておくことが後々のかかわりの中で重要になってくること。

<職種別参加者数>

合計  57名
医師 12名 社会福祉士 2名
歯科医師 0名 ケアマネ 13名
保健師 7名 介護 4名
薬剤師 2名 その他 0名
看護師 15名 事務 2名

    <アンケートから>
    以下に参加者からのメッセージをまとめました。

  1. 介護師
    社会資源が少なく、独居、老老介護、家族が遠方の方等、様々な問題があり在宅での看取りが困難な方は多いと思います。在宅に少しでも帰りたいと希望されたら、ご本人のお気持ちに沿えるようにキーパーソンに伝え、実現に向けて命に向き合うことが大事なのだと思います。
  2. 介護師
    「家に帰りたい」の言葉の重みを感じました。それがその人の最期を迎える場所と考えると、家族がどう考えるのだろうか、何か家でしたいことがあるのだろうかと色々考える所があるのだと思いました。自分が「人生最期の場所」を考えるとやっぱり家かなと思いました。
  3. ケアマネ
    ジェノグラムの重要性、取り方はとても参考になりました。
  4. 薬剤師
    やはり患者さんは相手によって、自分の思いの伝え方が微妙に違ってくるように思いました。
    疼痛に関しては、その時の状況に応じて少し増減もあろうかと思いますが、レスキュー等の使い方を再度、勉強しなければならないと思いました。
    終末期は、その人の生きてきた道のりが凝縮されたものになると思いました。一つの言葉では語りきれず、皆が納得できる方向への導きは本当に難しいです。短い間に様々な情報を拾い集める事も大切である事、またその情報の拾い方も勉強になりました。
  5. 看護師
    2年前に食道がんで家族を亡くした経験があります。転移、痛みはなかったけれど、食道と気管がつながってしまい痰の量が激しかったです。最後に私にできることは、身体のケア、栄養(鼻腔)注入だけになってしまいました。医師に何もできないと診断され目の前が真っ暗になりましたが、家に連れて帰ろうという判断に迷いはありませんでした。訪問看護師を始め1年が経とうとしていますが、終末期の利用者さんが増えています。マンパワーが足りない現実もあります。当時担当して頂いた市立病院の担当医師はとてもやさしく、無理なお願いも聞いてもらった記憶があり、とても感謝しています。終末は不安で病院を望まれる家族、本人さんもおられます。どこまで家族と向き合えるか、辛い時に何を聞けばいいのか、どう聞けばいいのか、手探りの状況に直面しています。
  6. 医師
    Pain controlの難しさを痛感いたしました。今後、在宅医療の流れが加速していく可能性もあり、pain controlの1つのマニュアルが必要と考えます。また、家族の関与を必要以上に求めていくのは、現実的ではないと思いますので、きちっとした医療関係者の介入がやはり必要だと思います。
  7. ケアマネ
    「帰りたい」という言葉の中の本当の思いを知ることの大切さ、そして、その思いに寄り添うために何ができるか、どうしていくかをしっかり考え、これから関わりをもって行きたいと思いました。
  8. ケアマネ
    医療従事者の視点での話や接遇のポイントや考え方など色々な見方の自己覚知をすることができました。得た情報から更に一歩踏み込んで関わっていくことの大切さを改めて感じました。
  9. ケアマネ
    理想と現実はなかなか開きが大きく、社会資源、人手不足等少しでも検討し進歩できればと思っています。
  10. ケアマネ
    市立八幡浜総合病院の緩和ケアチームの経過報告を聞いて、患者様の症状緩和が全体の60%以上となる よう頑張る取組みがとても興味深い結果だと思いました。
    チームでの取組みが患者様の苦痛を緩和していて素晴らしいと思いました。
  11. ケアマネ
    末期がんの方を数名担当させていただいており、色々悩みながらも、専門的なご意見、ご助言をもらいながら対応しています。本日の症例のように「帰りたい」という本人の思いにどこまで寄り添って支援できるか、家族等のサポート等しっかり聞き取り、貴重な命の時間を共有できるようしっかり勉強して対応できるようになりたいと思います。
  12. 保健師
    家族としてのペットの存在は重要と思いました。入院先でペットに会える機会をもてたのは、ご本人にとってとてもパワーになったと思います。そんな細かな配慮は有難いし、広がっていったら良いと思いました。
  13. ケアマネ
    社会資源が少ない地区のケースだったので、地域の社会資源について話ができれば良かったと思いました。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

PDFを見る

県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006