第82回 八幡浜在宅緩和ケア症例検討会

  1. 場所:WEB会議
  2. 日時:令和 3年5月14日(金);午後7時~8時30分
  3. <症 例>
    70歳代 女性
    <傷病名>
    左進行乳がん・多発転移
    <発表者>
      座長は、旭町内科クリニック;森岡 明 医師
      ①家族状況などの説明
       八幡浜医師会:清水 建哉 コーディネーター
      ②症例発表
       宇都宮病院:大田 康詞 医師
      ③訪問看護の経過について
       訪問看護ステーションいまいスマイル 松本 千恵子 看護師から

<症 例>
報告内容
PDFファイルをダウンロードしてご参照ください
追加PDFファイル
「これからの過ごし方について」

<議論の要点とコメント>

●病院医師が在宅主治医として訪問診療を実施、訪問看護との緻密な連携の経験をお話しいただけました。

●コロナ禍での、訪問診療のありかた、訪問開始時のジェノグラムやエコマップの作成が緊急時に極めて重要な役割などが話されました。

<職種別参加者数>

合計  80名
医師 15名 社会福祉士 6名
歯科医師 2名 ケアマネ 14名
保健師 6名 介護 6名
薬剤師 7名 その他 3名
看護師 20名 事務 1名

    <アンケートから>
    以下に参加者からのメッセージをまとめました。

  1. 保健師
    私もちょうど同じようなケースに関わっていて、今回の症例検討会とケースと重なりました。病院でも在宅でも、どんな選択をしても、本人や家族が後悔しない選択ができたらいいなと思います。家族や本人の気持ちが置いてきぼりにならないように注意しながら、関係者の方と一緒に動けたらなと思いました。
    愛南町では、1事業所のみ1週間で、残りの事業所は2週間サービスが止まるようです。もし在宅を選択した時に、サービスが入れないとなった場合、家族だけで乗り越えられるのか…事業所としての感染対策も大切だし難しいなと思いました。
  2. 保健師
    コロナ禍で、家族が県外から帰ってこられると、サービスや入院等が制限され、困ることがありがちですが、今回のように、入院が制限されたことで、在宅で家族に看取られることが出来たケースもあり、結果的に振り返ってみると良かったと思えることもあるのだということが、コロナ禍の一つの救いのように感じました。
  3. ケアマネージャー
    ケアマネージャーとして初回訪問でアセスメントをする際、必ずジェノグラムを作成しています。また、ジェノグラムを基本としてエコマップを作成すると利用者と家族、周辺の社会資源との間の関係性が明らかとなり、利用者がどのような関係性を持ちながら生活をしているのかを把握することができます。コロナ禍の中、対面での情報共有が難しいとますます、丁寧な説明や正確は情報共有が必要となってきます。ジェノグラムで複雑な家族関係を「見える化」して利用者を知る様々な手掛かりを得ることはより必要となってくるのではないでしょうか。
  4. ケアマネージャー
    コロナ禍の中では、面会ができなかったり、県外からの帰省があると入院を望んでいてもできなかったり、様々な問題が生じてきます。今回の事例ではそのような状況の中、皆様の関わりにより、最期をご自宅で迎えたいとのご本人の思いに寄り添えました。
    今回、悩みを感じとり、一緒に迷い、思いを共有してあげることの大切さを学ばせていただきました。「今は安心して自宅で最期を迎えることができるようになったのですね」とご主人が話してくださったように、私自身も皆様が安心して在宅で療養ができるような環境づくりをして行きたいと思います。
  5. 訪問入浴
    今回の症例検討では、訪問の主治医ではないのに訪問看護との連携が上手くとれていて良かったです。旦那さんの趣味が写真を撮るのがあったのですが、毎日撮っていたのかのかなと思いました。次女さんとの関係で、精神的に弱い次女さんのお世話をしていたのがあったのですが、最期に近づくとご本人さんと次女さんとの関係性はどうだったのかなとは思いました。
  6. 医師
    八幡浜地区の先生方をはじめ、在宅緩和ケアの専門的視点を要する症例検討会に魅力を感じました。今後とも連携を図らせてもらえればと思います。
  7. 社会福祉士
    コロナウィルス流行の中で入院中であれば遠方在住の家族が帰省しても何かと面会制限で難しい面があると思います。在宅での看取りを選択されたメリットとして、家族も面会の制限が無いことで都合を合わせやすいこともできたと思います。尚、周りからのサポートが充実出来たからこそコロナ流行の中、看取りをされたとは貴重であり勉強になりました。
  8. 社会福祉士
    貴重なケースを勉強させて頂きありがとうございました。コロナ禍において面会制限やサービス制限がある中でも工夫することでお客様のご移行を支える支援ができる方法を知りとても勉強になりました。研修では「セントケアは防護服でどんどんケアにいく」というような内容になっていましたが決してそうではなくご家族様が戻られる折には二週間支援して頂いてケアマネもセントケアスタッフも自分の生命を守りながら支援に入らせてもらっています。今回のように「コロナ禍ならでは」の乗り越え方を一緒に勉強させて頂けてよかったです。またいろいろなお知恵を頂きながら切れ目のないケアが提供できるように私も学んでいきたいと感じました。
  9. 保健師
    ご本人様の気丈な姿を感じながらもコロナ禍であり入院が難しくなったという環境で在宅の看取りに繋がったことは家族にとってもご本人様にとっても良かったのではないかと思いました。バックベッドの体制についてはもちろんのこと夫だけでなく娘二人の協力を得られたことは今回の在宅での看取りにおいて大変有効だったのではないでしょうか。
  10. 社会福祉士
    最終的に在宅で看取ることになったとき本人や家族に余裕がないと新たに関わる先生と一から信頼関係を築くことはストレスになるため、長年かかっていた先生に在宅でも対応して頂いたことは良かったと思います。
  11. 福祉用具専門相談員
    コロナ禍の中、在宅緩和に関わらず家族の県外帰省のため多くのサービスが中断されるケースは多くありました。今回の事例で最後を病院でという流れでバックベッドの安心感は2月のコーディネーター研修にもありましたが、家族にとっての不安要素を除く要因になっていると思います。れでも在宅で家族と共に過ごす時間や想いを繋げられるように自分の関わる最善のサービスが行えるように日々の訪問や対応をしていきたいと思います。
  12. 医師
    当院より在宅緩和ケアコーディネーターにお繋ぎし地元の連携後、患者さんがどのように在宅で過ごしているか、なかなか知る機会がありませんでした。本日の検討会で地元の医師や看護師がこのように関わっていたのかを知ることができました。ありがとうございました。
  13. 訪問看護
    連携の重要性、利用者の気持ちを読み取るアセスメント力が大切だと思いました。
  14. 薬剤師
    現場のリアルな部分を知ることが出来大変勉強になりました。患者さんが悔いなく最後を迎えるためには患者さんの心情を汲み取り一緒に考えていくことに付け加えて医療従事者間の情報共有も重要であると改めて学びました。
  15. 薬剤師
    コロナによって医療介護の流れが変わってきたなと知ることの出来た事例だと思います。本人や県外のご家族様の心情を尊重する事と医療介護従事者を守る事のバランスを取ることの難しさに気づけました。がんの告知について医師や看護師の方からお話しが聞け普段しれない側面を知ることが出来ました。薬局勤務のため処方箋より情報収集し患者様への対応を行うので病院側や介護事業所の方の対応を知れたので今後の薬の説明に反映させようと思います。
  16. 薬剤師
    本日も「連携」の大事さ、すぐに報告しあえる関係が重要と症例から感じました。
    太田さんのおっしゃったように「節目」を意識し「節目での扱い」を大事にしていこうと思います。
  17. 看護師
    患者様の症状家族の思い考えながらその時々に応じての対処に勉強になりました。
    白菊会を知ってはいましたが、実際に白菊会に献体されたお話しを聞いて自分自身考えさせられました。
  18. 薬剤師
    看護師、医師とのコミュニケーションの必要性、コロナでの本人の背景の子供たちとの連絡先などの情報を収集することの目的を相手本位で説明するなど勉強になりました。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

PDFを見る

県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006