- 場所:WEB会議
- 日時:令和4年8月5日(金);午後7時~8時30分
<症 例>
80歳代 男性
<傷病名>
直腸がん
<発表者>
座長は、旭町内科クリニック; 森岡 明 医師
①家族状況などの説明
居宅介護支援事業所:西安
門田 幸代 ケアマネージャー
②入院・治療の概要
市立八幡浜総合病院外科
副院長 的場 勝弘 医師
専門看護師 菊池 和美 看護師
③症例発表
三瀬医院
院長 片山 均 医師
④訪問看護ステーションおよびケアマネージャーからの報告
八幡浜医師会訪問看護ステーション
所長 坂本 美恵子 看護師
居宅介護支援事業所:西安
門田 幸代 ケアマネージャー
<症 例>
報告内容;PDFファイルをダウンロードしてご参照ください
第97回八幡浜在宅緩和ケア症例検討会資料
<議論の要点とコメント>
●独居高齢者の看取り支援について。
●ご本人の希望する環境調整に機敏に対応したチーム力の在り方について。
<職種別参加者数>
医師 | 11名 | 社会福祉士 | 5名 |
---|---|---|---|
歯科医師 | 2名 | ケアマネ | 11名 |
保健師 | 4名 | 介護 | 2名 |
薬剤師 | 4名 | その他 | 3名 |
看護師 | 19名 | 事務 | 1名 |
- ケアマネ
ケアする側が「何で」と思うことは、色々な場面であります。しかし本人にとって何が幸せか、何を望んでいるのか、過去から現在に至る本人、家族の生き方、価値観を認めながら、ケアする側の価値観を押し付けず支援していきたいと思いました。 - ケアマネ
私たち支援者は、残された時間をなるべく家族と一緒に過ごしてほしいと思いがちです。けれども、今回のケースでは親子間で絶妙な距離感を保ちながらお互いを思いやる形で最期を迎えられたケースでした。長男さんが、御本人に電話をかけて呼出音の何回目で電話をとるかで父の状態が分かるのだと言われたエピソードや、吉田先生も言われていましたが御本人は、最期の場面に息子さんたちを立ち合わせたくないから他人のそばで最期を迎えることを選んだのでは、ということから父を思う息子たち、息子を思う父親の家族関係が垣間見えるようです。
御本人の生きざまを尊重しながら、支援者側も価値観を押し付けることなく関わっていく姿勢が大切であることを学ばせていただきました。 - 保健師
息子さんが先生に宛てた手紙や死生感などから、この方の姿がイメージでき、この方らしい最期を支えるケアだったと感じました。
私も、独居の方の看取りの支援にかかわらせていただいたことがありますが、生活支援コーディネーターの支えあいの仕組みにも助けられました。この仕組みのおかげで、介護保険ではまかないきれない、早朝のゴミ出しや、地域の方との交流ができ、その方の生活が少し豊かになっていく様子を感じていました。ご近所の方が「こんにちは。今日はどう?」と一声かけ、世間話をし、ゴミ出しのお手伝いをする。支えあいを通して、地域で生活する人同士がつながる、気に掛け合う、温かく頼もしいものでした。今後ますます独居の方が増えると思いますが、その方の望む生活を支えられるよう、介護保険サービス等と併せて、うまくインフォーマルサービスを組み合わせられたらいいなと思いました。 - 薬剤師
今回の患者さんは、今までの生き方、生活スタイル、自立を大切に思われている方でした。普段通りに生活するのをサポートする方法として、家政婦の方に手伝ってもらうという方法があることを知って、目から鱗が落ちました。 - 薬剤師
各々の価値観、その価値観も確固としたものであったり、またそうでなく変化することも考えると、真の望みを拾い上げる難しさを感じました。 - 保健師
本人や家族へ、帰省の話をするタイミングや対応の仕方など、とても勉強になりました。これまでは「よい看取り」=「家族が本人の最後に立ち会うこと」だと思っていましたが、本人や家族によって「よい看取り」は違うのだと痛感しました。 - 作業療法士
対象者様の気持ちを汲み取りながら、自分だったらどういった対応をするのか、とても悩みました。現場の方々がとても熱心に関わりを持ち、寄り添っているのが分かり、とても勉強させていただきました。 - 看護師
私も何度か独居の方の支援に入りましたが、たまたま近所の方の支援を受けることができていたので何とかなりました。「独居でも安心して自宅で過ごすことができるように」がこれからの課題だと思いました。看護師の関わり方が素晴らしかったです。 - 介護士
自分に厳しい方で、自分のことで周りの生活に支障がでることを嫌い、最後まで親としての役割を全うされたように感じました。また、最後までご本人様の想いを傾聴した対応に看取りケアの素晴らしさを学べる内容でした。
自分のことだけではなく、コロナ感染症のことまで気を配り「みなさんに迷惑がかかるので帰るな」と気づかいされたり、ヘルパーを増やすことにも拒否をされ、最後まで自分らしさを出され、そのことに耳を傾けご本人様の想いに寄り添った関係者の対応に共感しました。
病状が進む中でも、自分の過去を振り返り、妻が亡くなった時のことや自分の病状のことや命が短くなることについて笑って話をする姿。最後まで自分らしい生活を送る。
長男さんが八幡浜についたことを知り涙ぐまれたところに、ご本人様の心境が伺えたように思いました。最期までご本人様の想い、関係者の対応の良さを知ることができました。 - 医師
独居高齢者の看取り支援では、遠方にいるご家族・主治医・訪問看護・福祉サービスの連携が不可欠であることは言うまでもありませんが、ケアマネージャーの配慮で、フォーマル、インフォーマルにかかわらず、すべての環境を整えることで、本人の望む穏やかな最期が迎えられることを教えていただいた事例でした。
<アンケートから>
以下に参加者からのメッセージをまとめました。