第100回 八幡浜在宅緩和ケア症例検討会

  1. 場所:WEB会議
  2. 日時:令和4年11月4日(金);午後7時~8時30分

<症 例>
  70歳代後半 女性
<傷病名>
  小細胞肺癌
<発表者>
  座長は、旭町内科クリニック; 森岡 明 医師
  ①家族状況などの説明
   八幡浜医師会居宅介護支援事業所
    清水 建哉 コーディネーター
  ②症例報告
   三瀬医院
    片山 均 医師
  ③訪問看護ステーションからの報告
   よつば訪問看護ステーシヨン
     川脇 和子 看護師
<症 例>
報告内容;PDFファイルをダウンロードしてご参照ください
第100回八幡浜在宅緩和ケア症例検討会資料

<議論の要点とコメント>

●新興宗教の熱心な患者さんで、医療従事者としてどう関わるかについて。

●精神科医の立場から、末期患者さんの精神症状に対する考え方と対処法について。

<職種別参加者数>

合計  50名
医師 6名 社会福祉士 3名
歯科医師 2名 ケアマネ 10名
保健師 2名 介護 4名
薬剤師 2名 その他 4名
看護師 16名 事務 1名

    <アンケートから>
    以下に参加者からのメッセージをまとめました。

  1. ケアマネ
    宗教を信仰され宗教的な治療を望まれているなど信仰心の強い利用者様にも怖がらずに聞いてみることも大切だと思いました。何となく聞きづらくてもこちら側が壁を作らず支援できるようにしていきたいです。
  2. 医療機器営業
    お話をお伺いし、ご家族とのコミュニケーションを取ることが大切なことを改めて知ることができました。在宅酸素をお手伝いする業者としてソーシャルワーカーや訪問看護師と比べご家族に関わる時間は少ないですが、微力ながらもお手伝いさせていただきたいと思います。
  3. 看護師
    今回の症例を通じて信仰を持っている、持っていないに関わらず、その人の行動様式を考えて関わることが大切だと再認識させて頂きました。
  4. 保健師
    日本国憲法によって規定されている宗教の自由から、いくら医学的エビデンスあってもその方の信仰する宗教で「念じたら治る」などの信仰が強ければ、医学的介入が難しいと今回のケースを通して思いました。
    しかし、宗教による制限はあれど、その人個人としての関わりを大切にして、本人がどのような生活を送りたいか、どのような予後を過ごしたいかをしっかり確認し、支援していくことが大切であると感じました。
  5. 看護師
    特定の宗教に拘って、こちらが壁を作ってしまうのではなく、宗教の有無ではなく本人たちが何に拘りをもって、何を大事にしているかに気を向けることが大切だということを学ぶことができました。〝あなたの大事にしていることは何ですか?〟ということは、その人を知るためにも教えてもらいたいということを伝えるのは必要だと感じました。また、最後の場所の選択も、本人のためなのか、自分のためなのか、同じ場所であっても違ってくるなと考えさせられました。在宅か病院かの選択の時に、私たちの発言で誘導してしまうことがないように気を付けようと思いました。
  6. 看護師
    それぞれの価値観、大切にしていることを理解することが重要なのだと思いました。その人らしさを大切にしながら支援していくことの難しさもありますが、寄り添うことを考慮していきたいと思います。
  7. ケアマネ
    今回の症例検討の内容ですが、議題に挙げられた宗教の問題や精神的症状の内容がございましたが、少し寂しく思いました。何がと言いますと、今回の発表者の方々のマイクから、笑い声が聞こえたことです。当事者で有った方々からはご本人、ご家族の状況が鮮明に思い出され考えることが有ったかと思いますが、他者からすると余り良い印象は抱きませんでした。症例を提供して下さった方に対しての誠意を感じることが難しく思いました。初心に立ち返るような症例検討会を今後は期待したいと思います。
  8. 医療機器メーカー
    患者様の信仰する宗教によっては治療の妨げになることもあるものの、本人や家族の意思を最大限尊重せねばならず、難しい問題であると改めて認識いたしました。メーカーとしても、在宅酸素設置の際には患者様の生活様式や考えについての聞き取りを十分に行い、可能な限りお気持ちに寄り添った対応をしてまいりたいと思います。
  9. 介護士
    看取りついて、自分の為に親を家で看取りたいのか、親の為に家で看取りたいのか、
    それによって、ご家族の見取りケアへの関わり方に違いがあることを認識しました。特に他職種連携、緊急時の対応などの関わり方について、ご家族に想定される状況変化については伝えておかないと、早期の対応に違いがでてくると思います。また、宗教上の考え方についてもある程度理解をしておかないといけないのではないかと思います。それぞれの生活歴、価値観、文化を知ることの大切さを改めて認識することができました。
  10. ロロロ
    宗教の教義を知っていれば関わりの参考になると思っていましたが、患者さんが何を大切に思っているかさえ分かれば宗教の知識はさほど必要ないのかもと思いました。
  11. 医師
    「信じれば治る」の意味は、「いかに生きるか」を考えさせてくれるのが宗教だと思います。人の生老病死をめぐるあらゆる場面に関与してくるものと理解すれば、真にその人をスピリチュアルな面で支えるという態度が生まれるのではないでしょうか。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

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県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006