- 場所:WEB会議
- 日時:令和5年11月10日(金);午後7時~8時30分
<症 例>
60歳代 男性
<傷病名>
腎細胞癌、慢性腎不全
<挨 拶>
開会挨拶
八幡浜医師会会長
芝田 宗生 医師
<発表者>
座 長
旭町内科クリニック
森岡 明 医師
①家族状況などの説明
八幡浜医師会居宅介護支援事業所
清水 建哉 コーディネーター
②症例報告
市立八幡浜総合病院 外来透析室
岡川 恵美子 看護師
③訪問看護ステーションからの報告
セントケア訪問看護ステーション
松平 直美 看護師
<症 例>
報告内容;PDFファイルをダウンロードしてご参照ください
第110回八幡浜在宅緩和ケア症例検討会資料
<議論の要点とコメント>
●慢性透析を継続しながらの終末期癌緩和ケアの在り方と難しさについて
●十分なACPのプロセスを踏んでも、透析を継続しなければ生きられないという気持ちと、癌末期という状態像を抱えるご本人のジレンマへの対応について
<職種別参加者数>
医師 | 8名 | 社会福祉士 | 4名 |
---|---|---|---|
歯科医師 | 1名 | ケアマネ | 5名 |
保健師 | 5名 | 介護 | 2名 |
薬剤師 | 6名 | その他 | 2名 |
看護師 | 27名 | 事務 | 2名 |
- 看護師
予後について説明し理解していると医療側は思っていても、本人、家族が理解していないこともあり、難しい問題だと思います。 - 看護師
長時間関わる上でADLの変化や状態の急変することもあるので、きちんと患者、家族とのACPを決めておくことが必要であると思いました。外来と在宅での関わりの中で病院側と訪問看護との情報共有など密な関わりで看護を提供できることが、在宅看取りには必要になると感じました。 - 看護師
がんと透析という状況は、プラスの事項ととらえ考えていかなければならないケースでもありますが、透析をしている方にとっては負担になることがわかった。意思決定ができない方は、表出していない思いや家族の思いと介入者側の受け止め方の違いから押しつけにならないよう気を付けていかなければならないと感じました。十分なインフォームドコンセントは重要で、見通しができることで本人の受け止める覚悟や予測をもって自分の変化を知ることができると感じました。 - 看護師
「透析が出来なくなったら厳しいやろ」との本人の言葉から、本人様の目標が透析に通うことだったと感じました。透析に通うことができている間は、自分は大丈夫だと感じていたのか、感じていたかったのかもしれません。ギリギリまで透析に通えたことは本人様の目標達成だと思いました。ただ家族様は新居に入れてあげたかった、との思いもすごく分かる気がします。 - 作業療法士
ご本人様とご家族様の残された時間の中でどういったことを提供することができるのかを考えさせられ勉強になりました。これからもご本人やご家族の気持ちを大切にしながら、関わりを持っていきたいと思います。 - 介護士
私たちが考えている看取りケア、ご家族が考えている看取りケアについて、ご家族が説明を受けて看取りについて理解できているものの、最後の瞬間の苦しい症状を目の前で見れば「助けてあげたい」「まだ一緒にいたい」という気持ちになるのは致し方ないことで、必ずしもACPどおりに行くものではないと認識しました。
ACPだけに拘るのではなくACPどおりに行かなくても、グリーフケアによってご家族が良くやったと振り返り、残された家族と立ち直ることができるようにすることが大切である。
ご本人は透析に行くことで、少しでも長く生きて行くことができる。透析と癌の対応と難しい状況で、主治医との連携、ご家族との連携を図りながら、私たちが日頃の関りの中で、ご本人の気持ちを汲み取れる理解力や観察力を学んで行かなればと再認識しました。 - 医師
慢性透析を継続しながらのがん緩和を継続した主治医・看護師の医療職の方々の苦難を感じました。患者さんとともに、4つの痛みを医療職が共有していることがよくわかる報告でした。おそらく患者さんにとって、市立八幡浜総合病院外来透析室が、なによりも症状緩和の場所だったのではないでしょうか。
<アンケートから>
以下に参加者からのメッセージをまとめました。