第七回 八幡浜在宅医療研究会開催しました。

 平成26年10月30日、八幡浜みなっと「みなと交流館 多目的ホール」で瀬尾歯科医院院長の瀬尾達志先生をお招きして「いつまでも、お口から食べていただくために」と題して講演会を開催しました。
いま医療介護分野は、2025年(戦後団塊の世代が75歳以上になる年)問題に直面し様々な改革が実行されようとしています。地域の特性にあった地域包括ケアシステムの構築は喫緊の課題となっています。
要介護者の意識実態調査分析によりますと、療養生活において一番の楽しみは食事であるとされていますが、原疾患・廃用・認知・口腔の影響を受け、療養生活のQOLと栄養は介護度とともに低下します。
Barerらは、脳梗塞後よほどのダメージがない限りは6か月後には嚥下機能が回復していることが多いことを報告しています。

 しかしながら、嚥下評価が行われないため、ある程度の摂食が可能にもかかわらずPEGカテーテルが放置され、経口摂取禁忌のケースがたくさん存在します。
摂食嚥下障害が疾患型か、加齢・廃用型か、認知型かで嚥下について評価することが重要です。そのためには、病態からの口腔ケアチェックを歯科医師との連携で実施することが大切だと思われます。

 また医療・介護関連肺炎(NHCAP:nursing and health care-associated pneumonia)の予防には口腔ケアの継続が必要でしょう。

 瀬尾先生のご講演は、明日からの診療・介護に役立つ内容満載でした。

 講演後の参加された皆さんのアンケート内容とあわせて講演で提示されたスライドを、瀬尾先生の御許可をいただき掲載しました。

PDF「いつまでも、お口から食べていただくために」
PDF「口腔内疼痛コントロール」

    以下に参加者からのメッセージをまとめました。
    ○画像がわかりやすかったです。口腔ケアの重要性が良くわかりました。(看護師・女性)
    ○誤嚥を防ぐために口腔内の廃用を防ぐためのケアを中心に関っていく必要性を学ぶことができま
    した。
    ○今後、嚥下困難な患者に関わる上で大変勉強になりました。(看護師・44才・女性)
    ○動画がわかりやすく楽しく聞かせていただきました。(ケアマネ・45才・男性)
    ○映像やスライドで説明していただき、とても解りやすく、勉強になりました。
    ありがとうございました。(ケアマネ・37才・男性)
    ○実際に現場で経験されたお話をしていただき、わかりやすく、勉強になりました。最新情報も教えていただいたので・・・。このような研修が継続していければぜひ参加していきたいです。
    (ケアマネ・48才・女性)
    ○後半かけ足になったのが残念です。そちらも機会があれば聞いてみたいと思います。
    (言語聴覚師・39才・男性)
    ○具体的に口腔ケアについて説明していただきよくわかりました。マッサージや保湿剤のこと、痰
    に関することなど、寝たきり患者のケアの方法もとっても参考になりました。ケア困難な方法も大変参考になりました。(看護師・52才・女性)
    ○口腔ケアをするに当たり難しいなと思う点が多々ありましたが、本日の講演で、ケアポイントや機能維持、リハビリの仕方を生かした今後のケアをしていきたいと思います。とても解りやすかったです。(看護師・45才女性)
    ○内容が広範囲で少し難しい部分もありましたが仕事に生かせる部分は生かして生きたいと思います。(介護・50才・女性)
    ○肺炎防止、口腔ケアが重要。当院でも口腔ケアは重要で日々の口腔ケアを施行していますが、本日の講演での内容を入れられるように委員会等で話して行きたい。(看護師・女性)
    ○口腔ケアの実際について詳しく知ることができました。気軽にできる体操も日ごろのレクなどで実践してみたいと思いました。(OT・24才・女性)
    ○口腔ケアについて大変勉強になりました。口をあけるポイントなど、日常業務に役立てて生きたいと思います。(看護師・39才・女性)
    ○口腔ケアの際、口をあけない方へのアプローチの仕方を詳しく説明していただき、今後のケアの実践の際は行っていきたいと思いました。ありがとうございます。(看護師・44才・男性)
    ○大変細かく丁寧に説明していただき、わかり易く学べました。明日からの看護に生かしたいと思います。(看護師・50才・女性)
    ○口腔ケアについて、再確認することができた大変勉強になりました。先生の話をまた聴きたいと思います。ありがとうございました。(歯科衛生士・女性)
    ○機能の正常な状態を把握しておくことの大切さから始まり、舌にもこんな役割があるのか等、初めて知ることが多く勉強になりました。奥が深いと思いました。守備範囲は口なので狭いようだが、細かな知識が必要だと思いました。解りやすいお話ありがとうございました。
    (保健師・45才・女性)
    ○スライドや動画を用いて大変興味深い内容でした。訪問歯科診療についてお聞きしたかったので時間が足りず残念でした。生涯口から食べるために、まず口腔内を整えることが大切であると再認識しました。学習のためのサイト、研修会などの情報が公開されていると良いと思いました。現状では関係機関のみでしょうか。(栄養士・55才・女性)
    ○とてもわかり易く聴きやすかったです。ありがとうございました。口腔を清浄すると細菌が増えるということは目からウロコでした。ご説明を聞き納得しました。もっと時間がほしかったので、今後また教えていただければと思います。(管理栄養士・50才・女性)
    ○わかりやすかったと思います。施設の入居者さんにも少しずつ口腔ケアを働きかけたいと思います。(福祉施設勤務・51才・男性)
    ○口の動きや働きを詳しく細かく考えたことがなかったので、新しい情報がいっぱいでした。口腔の働きが、生きることに大きく影響していることが分かりました。それを回復すること、低下を防ぐことがQOL向上につながると感じました。(保健師・42才・女性)
    ○分かりやすく話していただいて、楽しく聞くことができました。ありがとうございます。高齢者 の口腔内がきれいに保たれている方が少ない中、口腔体操や、口腔機能の重要性がとてもよく理解できました。ありがとうございます。パタカラ体操、あいうべ体操を実践して行こうと思います。(看護師・52才・女性)
    ○ビデオの映像を混ぜて具体的に分かり易く講演していただきありがとうございました。口腔ケアについて重要性や知らなかったことを知ることができまいした。(看護師・40才・女性)
    ○嚥下、誤嚥の仕組みがよくわかりました。次回、機会があるならば、私たち介助者が利用できる口腔ケアの実技方法をなどの指導をしていただけたらと思います。
    個人的なことになりますが、高齢の家族が瀬尾先生にお世話になっていって、糖尿と口腔ケアの大切さを感じています。こういうことをもっと広めてほしいと思います。
    (ヘルパー・53才・女性)
    ○そう入れ歯を作るために口腔ケアから初めて3ヶ月かかるというのは少し驚きました。口のケアがすごく大切だということが解ったような気がします。(介護福祉士・54才・女性)
    ○とても良かったが、時間の都合上全ての講演内容が聞けなかったのが残念であった。
    (鍼灸マッサージ師・56才・男性)
    ○歯科の専門的な関わりがすごく必要なことがよくわかりました。いつまでも口から食べられような介助が少しでもできればいいと思います。瀬尾先生の話を生かして生きたいです。(看護師・42才・女性)
    ○わりやすくよかったです。(職種空欄・50才・女性)
    ○訪問歯科取組み内容等がわかりました。少し内容が難しかったです。(女性のみ他は空欄)
    ○動画もまじえられとてもわかりやすかったです。ありがとうございました。
    (職種空欄・45才・女性)
    ○口腔ケアに対しての必要性を改めて考えることができました。食べる機能を落とさないために考えないといけないことを感じました。(看護師・44才・女性)
    ○摂食嚥下障害の様々なサイン(食事時間、内容、好みなど)を見逃さず観察し早期に対処して行くことや、あいうべ体操、口腔ケアについて大変参考になりました。いつまでもお口から食べていただくために身近なところから実践したいと思います。ありがとうございました。
    (ケアマネ・53才・女性)
    ○全く知らない世界を見ることができたと思います。ありがとうございました。
    (栄養士・44才・女性)
    ○自分の知らないことが多く大変参考になった。(ケアマネ・48才・男性)
    ○日常の仕事ですぐにでも使える技術があり参考になりました。また商品等も参考にさせていただきます。ありがとうございました。(看護師・32才・女性)
    ○口腔ケアの大切さがよくわかりました。日頃のケアが大事だと実感しとても勉強になりました。ありがとうございました。(事務・55才・女性)
    ○動画などを活用いただいたため理解しやすかった。誤嚥に対しDAP・PLD等でリスクを軽減できることを知ることができ、今後の関わりのなかに生かして生きたいと思います。
    (看護師・40才・男性)
    ○口腔ケアの重要性がよくわかりました・訪問診療をされている歯科医さんが瀬尾先生の他にも、たくさんいらっしゃることが解りました。良かったです。これからもご指導いただけますようお願いします。
    ○口腔ケアの大切さを思い知らされました。(臨床検査技師・55才・男性)
    ○普段見ることができない口腔ケアなどの実際の画像が非常に新鮮で勉強になりました。ただ実際に自分のところでやろうとするのは大変かなという印象でした。(医師・56才・男性)
    ○大変すばらしい講演で勉強になりました。またお願いします。(医師・57才・男性)
    ○図や動画、写真での説明で解りやすかった。時間(開始時間、講演時間)がちょうどよかった。(介護福祉士・37才・女性)

    質問事項
    ○施設入所者、職員への口腔ケア指導をお願いします。
    ○がん末期の方、舌のピリピリ感、刺激に対する痛みがあり唾液の分泌が少なくなって乾燥している方の口腔ケアはどうしたらいいか。
    ○嚥下評価はどのくらいの頻度でされていますか。舌たいを除去する薬剤でおすすめのものはありますか。吸引付歯ブラシや、やわらかいスポンジの物品など購入先を教えてください。
    ○口腔ケア拒否が強く口を開けていただけない。もし開けていただくことができても残っている歯がほとんど折れそうです。どのようなケアをすればよいのですか。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

PDFを見る

県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006