とくに、地方では内科系、外科系なかでも内科各科、脳外科の医師不足は深刻で、ますます病院勤務医の疲弊を助長する結果になっています。また日本の病院ベッド数は、人口当たり欧米の約9倍と多く、逆に考えればその分、気軽に入院をさせていたことになります。

このことが、ますます医療スタッフの疲弊を促進することにつながりました。かといって、新しい医師研修制度は、新人の医師に基本的な技術を獲得させる上では必要なことと思われますから、一概にもとの大学医局制度にもどせという議論にはならないと思います。

そこで、これまでに述べてきましたが、疾病構造自体が変化してきているわけですから、そこに注目してこれからのことを考えることが大切だと思います。

疾病構造の変化を見るとき、いくつかの問題点があります。私なりに、5項目を(図6)に挙げました。第1に、病院も診療所も一施設あたりの人員数が少なく、かつ個々の医療機関に従事者が固定されているということです。八幡浜、大洲地区でいうと、循環器科に特化した病院、消化器領域が得意な病院、脳外科医師が充実した病院、一般外科や整形外科が積極的な病院などの急性期病院が点在しています。しかしながら、行政上の問題点や各病院間の理念の差もあり統合は困難な状況です。