これは、平成18年改正の医療法にも盛り込まれており、これまで(従来の医療法)、地域の医療機関が担える機能に関係なく、結果として大病院を重視することとなる階層型構造を念頭に構想されてきました(図7)。
新しい医療法でイメージされている医療計画は、患者さんを中心にした医療連携体制が構想されています。
主要な事業ごとに柔軟な医療連携体制を作ることが今後求められると思います。これは、病院の規模ではなく医療機能を重視した連携であり、「医療機関で完結するサービス」から「地域で完結するサービス」、「入院から在宅まで切れ目のないサービス(seamless service)」の提供への移行であります。このことが実現できれば、現在私たちの地域の限りある医療・介護・福祉資源を有効に活用することができるのではないでしょうか(図8)。このような視点から、病診連携について述べますと、病診連携はもともと診療所と病院との間で外来の競合という問題があるにもかかわらず、相互に依存しなければ地域の医療が成り立たない関係にあります。