第86回 八幡浜在宅緩和ケア症例検討会

  1. 場所:WEB会議
  2. 日時:令和 3年9月3日(金);午後7時~8時30分

<司 会>
 八幡浜医師会居宅介護支援事業所
  清水建哉コーディネーター
<発表テーマと発表者>
  令和3年3月のアンケート結果について、心身医学の立場から、
  「在宅医療・ケアと心身医学」
 ~八幡浜在宅医療研究会の10年の歩み~ と題して
  旭町内科クリニック;森岡 明 医師

<発表者>

 2021年(令和3年)7月10〜11日(土・日)
 第62回日本心身医学会総会が開催されました。
 サンポートホール高松にて、日本心身医学会中国・四国地方会との合同企画として
 「地域における心身医療」のテーマでシンポジウムが開催されました。
 発表スライドと講演の基礎となった多職種の皆さんへのアンケート内容とその集計結果を以下にまとめました。

1)在宅医療・ケアと心身医学(日本心身医学会高松2021)
PowerPoint プレゼンテーション (asahimachi-gp-clinic.com)
2)在宅医療・介護に関するアンケートのお願い
210717onegai.pdf (asahimachi-gp-clinic.com)
3)アンケート集計結果
210717kekka.pdf (asahimachi-gp-clinic.com)
4)アンケートでいただいたコメント集
210726comment.pdf (asahimachi-gp-clinic.com)

<職種別参加者数>

合計  62名
医師 10名 社会福祉士 3名
歯科医師 3名 ケアマネ 16名
保健師 5名 介護 3名
薬剤師 10名 その他 2名
看護師 10名 事務 1名

    <アンケートから>
    以下に参加者からのメッセージをまとめました。

  1. 医師
    八幡浜の皆さんの地域医療にかける情熱と実力が確実にアップしている躍動感を感じる会です。八幡浜の益々の発展が楽しみです。
  2. 保健師
    八幡浜市と伊方町が行っている事業ではありますが、webだからこそこのように繋がることができるので、職域、地域に限られることなく今後も参加することができれば良いと思います。
  3. 薬剤師
    患者様、ご本人の気持ちに寄り添うことの難しさを改めて考えさせられました。
  4. 薬剤師
    薬剤師として薬の説明をするだけでなく、患者さんの愚痴などを聞いて、気持ちを落ち着かせることも、薬剤師としての仕事のひとつだと思います。
  5. 介護支援専門員
    軽度の方を担当させていただくことが多く、実際に在宅医療に関わらせていただく機会の少ない私には、この会の存在はとても貴重です。これからも参加を続けて、少しでもスキルを上げられるよう努力したいと思います。
    前回の事例の振り返りでは、母としての想い、娘としての想い、麻薬を使うことへの想いということを考えました。同じ世代として、できるだけ娘たちにも母にも、今までと同じ生活を続けてほしい、自分自身も今までと同じようにいたい、という気持ちはよくわかります。その方の“守りたいもの”が何なのか、すぐに分からなくても、分かろうとする気持ちは、普段の関りから持てるようにしたいと思いました。
  6. 薬剤師
    八幡浜在宅医療研究会を平成24年にどういう思いで立ち上げられ今まで続けてこられたかを知る良い機会となりました。多職種連携協働について、患者さん個々のトータルペインにどのように向き合っていくか、今後もこのような勉強会を通じて学んでいきたいと思いました。
    勉強会で教えていただいたことは、職種や人によって患者さんの態度が変わることがあること、得られる情報も変わってくることを教えていただきました。他の職種の方と情報共有することが大切だと学びました。
    痛みといっても身体的な苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛のどういった背景の痛みなのか考える必要性があると思いました。
  7. 薬剤師
    患者さんの苦痛は身体的苦痛だけではなく、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛もあることを改めて学びました。それらの苦痛を少しでも軽くするために多職種連携やコミュニケーションが重要と思ました。今後は、患者さんのためにコミュニケーション能力の向上を図るとともに在宅に携わる機会があれば薬剤師だからこそ聞ける情報を聞き取りたいと思います。
  8. 作業療法士
    いろいろな環境や対象者様の心理状態の中で、どのようなアプローチや声かけが必要なのか。また、在宅で利用者様が望んでいることを感じとりながら関わりをもつことがとても重要であると感じました。身体的な部分だけではなく、取り巻く環境や、言葉や隠された思いを感じ取りながら寄り添えるようにしていきたいと思います。
  9. ケアマネ
    八幡浜在宅医療研究会の10年間の積み上げの成果は、この八幡浜在宅緩和ケア症例検討会で報告される中で、着実に「多職種連携協働」が実践されていることがわかります。
    私たちケアマネも、利用者様と関わる上でチームの一員として、コミュニケーションスキルの更なる向上を目指していけるように勉強をしていかなければと感じました。
  10. 歯科医
    前回の症例の答えに、自分の中で一つ答えを得られました。私の大学の先輩が先日、癌のため逝きました。享年43歳です。家族のために最後まで諦めず抗ガン剤治療をされたと聞いています。「楽になる」は他人の感情の押しつけであること、振り返って歯科医ではありますが、患者のニーズに応えること。また色々と考えさせられました。
  11. 福祉用具専門相談員
    今回の検討会では、これまでの八幡浜市の緩和ケアへの取組みを知るうえで、貴重な資料内容でした。この10年間、皆様の努力や現在の多職種連携の構築に至るまでの苦労がわかりました。自分はまだ2年足らずの参加と関わりですが、これからも在宅緩和ケアに深く関わって行けるように知識と経験を増やしていこうと思います。
  12. 医師
    保健医療福祉サービスに関わる専門職は、保健・医療・福祉サービスの受け手である人々のために最善を尽くすことを共通の価値として行動しますが、それぞれの専門性によって、問題の捉え方や判断の内容と根拠は異なることが多いです。
    多職種によるチームでサービスを提供する際には、それぞれの専門職の持つ価値観に相違が見られることも多く、心身医学的・倫理的課題に対する解決策を検討する場合であっても、ときに職種間での対立が起こる例もあります。多職種がチームとして多くの課題に向き合う際には、患者さん又は利用者さん等、もしくはその家族に対する目標のためにそれぞれの専門性を発揮することが重要であり、その立場は対等です。しかし、対立を避けたいという思いや相手の立場への配慮や遠慮から、発言や提案をあきらめてしまうことも少なくないと思います。この会が自由に発言や提案をすべての職種ができるような会に発展することを望みます。

愛媛県在宅緩和ケア推進協議会

「えひめ在宅緩和ケア」

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県内の在宅緩和ケアの現状やモデル事業の取り組みを、愛媛新聞に掲載されました。
許可をいただきPDFを掲載しました。ぜひご覧ください。
2019年1月7日~22日 愛媛新聞掲載

掲載許可番号
d20190822-006